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物の数
「物の数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物の数の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
物をいっているどころではない。全く物などはいっていないのだ」と。
私自身などは
物の数にも足らない。たとえばクロポトキンのような立ち優れた人の言説を考えてみても....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
性であろうと、また胎中発病が、あり得ようがあり得まいが、もうそんな病理論などは、
物の数ではなくなってしまって、はや騎西家の人達は、自分達の身体に腐爛の臭いを気に....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
る。数十億数百億の恒星に付随する惑星の数は真に無数であり、それらに棲息する高等生
物の数はこれまた数えることが出来ないほど夥しいものがある。その中に、わが地球人類....
「親子」より 著者:有島武郎
ちだった。 矢部は父の質問に気軽く答え始めた。その質問の大部分が矢部にとっては
物の数にも足らぬ小さなことのように、 「さようですか。そういうことならそういたし....
「地球盗難」より 著者:海野十三
檻を発見したが、その檻の中を一と目覗いたときの驚愕に比べると、怪園の異風景などは
物の数ではなかった。一体その檻の中には何が入っていたであろうか。 「おお、これは....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
逃しているのだ。だから一九〇・九二〇|瓩と云う数字は、いや、深谷氏の数字もこの荷
物の数字も、凡て犯人推定の引算のために、なくてはならぬ大事な数字には違いないが、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
よい、迎いに行きますよ」社長はこんな冗談を云った。 官庁街の素気なく白々しい建
物の数々。支那街の異臭、雑沓、商業街の殷賑、私たちはそれ等を車の窓から見た。ここ....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
、こういって褒められた。『蘭丸、お前は数値の観念があって、感心な奴じゃ。何でも、
物の数は、数えておぼえておけば、必ず役に立つ。大きくなって、軍勢を戦場に出してか....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
しました工合に、玉転し、射的だの、あなた、賭的がござりまして、山のように積んだ景
物の数ほど、灯が沢山|点きまして、いつも花盛りのような、賑な処でござります。」 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
よ、丶丶丶の令息と、丶丶の親類とで慰むのだ。土民の一少婦、美なりといえどもあえて
物の数とするには足らぬ。 「ね、」 (笑って答えず。) 多磨太は頷いて身を退い....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
絶対に存在せぬ。われ等が過去に於て嘗めたところに比ぶれば、現代の苦艱の如きは抑々
物の数でない。われ等の生活せるローマ帝政時代の末期――精神的、霊的のものは悉く影....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
趙太爺と錢太爺ともう一人|秀才太爺が城内に行けば問題になるだけで、偽毛唐でさえも
物の数にされないのだから、いわんや阿Qにおいてをやだ。だから番人の親爺も彼のため....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
ね?……そりゃ、若い俺達のやることだ。失敗はあるだろう。しかし、失敗なんてものは
物の数ではないよ。問題は実行すると云うことだ。俺達は敢然と実行する資格だけは持っ....
「三人の師」より 著者:上村松園
たと聞いている。 私などの縮図やスケッチに駈け廻るぐらい、先生の写生に較べると
物の数にもはいらないのである。 入塾した当時は、偉い門人の方が多かったので、私....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
今直ぐにも鼻をあかしたかった。屹度それが出来るとワルトンは信じて居た。ジョーンを
物の数にもしなかった。 それが、そのジョーンが、今こんな暴力でワルトンを撲った....