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物の用
「物の用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物の用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
町《まつながちょう》の正福寺」 声も出ないほどに三庵がうち喜んで、騒がしく乗り
物の用意をさせながら迎えに出そうとしたのを、 「いや、待たっしゃい。乗せていくも....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しい、菊路というのでした。 さればこそ居間へ這入って見ると、すでにそこには夜の
物の用意が整えられていましたので退屈男はかえったままの宗十郎頭巾姿で、長い蝋色鞘....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まったく着るにたえないほどもぼろぼろになった子どもたちの衣類が三、四枚と、これも
物の用をなさない母親の破れ着物が一、二枚、はかなげな残骸《ざんがい》を目の前にさ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
山へ登ってみることだ」 ドレゴはガロ爺やを呼んだ。そして急いで二日分の糧食と飲
物の用意を命じた。何もしらないガロは愕《おどろ》いて、 「若旦那さま、どこかへお....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ておくと、またぞろその女がゆうべも来て、先日張訓に下さいました鎧は朽ち破れていて
物の用にも立ちません。どうぞしかるべき品とお取換えをねがいますと言う。そこで、お....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
くのは、「襤褸針せつづれさせ」と言って鳴くのだ、貧しいものはあの声を聞いて冬の着
物の用意をするのだと言って聞かせました。私はその時さびしいような、寒さの近づくよ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
とキナ臭い匂いが致して、兄ながら只ではききずてならぬ申し条じゃ。では、※々に乗り
物の用意せい」 すっくと立ち上がったのを、 「いえ、あの、ちょッとお待ち下せえ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
宵の稼ぎとする。菜瓜のなお腐らぬは漬物屋に持ちゆいて数銭のお鳥目にかえ、よくよく
物の用に立たぬを引汐にサラリと沖へ流して、送り火の行衛はいずこ、すべては型ばかり....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ります」 傳「何で、何方の御藩でげす」 典「なに元は神田橋近辺に居た者だ、櫻井監
物の用人役をも勤めた者の忰だが、放蕩を致して府内にも居られないで、斯ういう処へ参....
「海底都市」より 著者:海野十三
て、うやうやしく返事をした。 「それからその案内人が来たら、すぐ出かけるから、乗
物の用意を頼む」 「はあ、かしこまりました」 「それだけだ。急いでやってくれ」 ....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
も、直次の娘も、めったに養生園へは顔を見せなかった。おげんは小山の家の方で毎年漬
物の用意をするように、病室の入口の部屋に近い台所に出ていた。彼女の心は山のように....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うだが、ガンドウとチョウチンを二ツも用意しているくせに掘りだした物を運ぶための品
物の用意がないのはウカツじゃありませんか。黄金の箱を小脇にかかえてクワのほかにガ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
代の文者という吉田兼好に此の文たのもうと思い立ったは、さすがはお身じゃ。日頃から
物の用に立たぬは手書じゃとあざけり、まして法師のたぐいは、木の折れかなんどのよう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
非一遍参詣したいと思って居るけれども第一容易に食物を得られないから行くには充分食
物の用意もして行かねばならぬ。それに強盗が沢山居るから多くの同勢を連れて行かない....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は鶏卵を人に贈るの風習あり。市中の店には鶏卵をかたどりたる菓子、パン等を売り、進
物の用に備う。これけだし、ヤソ蘇生を表する意ならん。 当日、寺院には早朝よりパ....