物の芽[語句情報] » 物の芽

「物の芽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物の芽の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蕎麦餅」より 著者:田中貢太郎
の中へ手をやって一握りの物種を取りだした。人形はそれを耕地の上へ蒔いた。 青い物の芽が簇々と生えてそれが茎になり葉になった。それは蕎麦であった。白い花がすぐ開....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
る。生命のある物は何もないんだ。樫の幹は枯れている。叢も芝生も枯れている。地面は物の芽ぐむのを許さない冷え切った土、空は暗澹とした冬の雲。太陽の暖かい光りを受け....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
らも、土地からも、 乾いた所にも、濡れた所にも、熱い所にも、寒い所にも、 千万の物の芽が伸びる。 もしわたしが火と云う奴を保留して置かなかったら、 これと云う特....
穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
恩頼を蒙る所以としたのである。さらに女子は農耕以前から、野や山に出て副食物たる植物の芽や実を採集した伝統的の経験があるので、農事に親しむべき素養を充分に有してい....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いたくなった。温い風に騎って、春はいっさんに駈けつけて来たかのように、すべての植物の芽を鮮らかに膨らませていた。 「たのもう。物もうす」 背まで泥濘の刎ねを上....