物は試し[語句情報] » 物は試し

「物は試し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物は試しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
は妙案ですね。その足跡を印《しるし》に追いかければきっと捕まるでしょう。 ――物は試しですからまあやって見るのですね。 ――早速そうしましょう。（二人とも去....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
て最初それを拒んだが、やっぱり誘惑されずにはいなかった。 「そんな事をいわずに、物は試しだから一口買ってごらんなさい、しかし度々《たびたび》は可《い》けません、....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
なり、という句と、花｜発《ひら》いて再び重栄《ちょうえい》という句があったので、物は試しだからまあ受けて見ようと云って、受けたら綺麗《きれい》に及第した時、彼は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わけだか判らないと云って、七之助さんも不思議がっているので、良人が意地をつけて、物は試しだ、魚を持たずに一度帰ってみろ、おふくろがどうするかと……。七之助さんも....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
らぬと師匠が毎度云って聞かしたことを思い出しましたから、是が戻天の所かも知れん、物は試しだ一番｜行て見ようというので、茂二作夫婦には毒薬をもって殺す時は死相が変....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
しょう。逃げ出されたら逃げ出された時のことだ。」 「そんなもんじゃありませんよ。物は試し、まあ貰って御覧なさい。」 和泉屋はほくほくもので帰って行った。 そ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
も判らないことがあらば御相談なさい。――こういう牌がその老人の胸にかけてあった。物は試しであると思ったので、役人は彼をよび止めて相談すると、老人は訊いた。 「あ....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
にこの池は中々底深いと聞くから、或はこの水中に何物か沈んでいるのではあるまいか、物は試しで一応その掻堀をして見ろと云うことになって、下男や家来共はその用意に取か....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
現れるかも知れないと、その主人がいうのだ。成程そんなことは昔話にもよくあるから、物は試しにその床下を発掘してみようということになると、果して店の梯子の下あたりと....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
だからいけない。注文通り係累はないし、東洋の事情には通じ過ぎているじゃアないか。物は試しだ。兎に角手紙を出して当って見るがいい」柏は熱心にいった。この男は自分の....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
りました。入学試験があるというのですが、千住の小学校を出たばかりで世間知らずで、物は試しということがあるからと受験しましたら、合格したのでした。 女学校では生....
「好日」より 著者:三好十郎
クレも構やあしない、のどから手が出る位に欲しいけど、先様で相手にしません。でも、物は試しだ、韮山に申し込んで見るかな。 お袖 とんだ事をおっしゃる。淀橋の韮山正....
「粟田口霑笛竹（澤紫ゆかりの咲分）」より 著者:三遊亭円朝
、安吉も出て参り、 「親方しッかりなせえ、わッちが居るから大丈夫だ」 仙「重さん物は試しだ、これを見ねえ」 と束の刀を投り出すを受取り見て、 重「これは蹈めま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て、不成績な荒筵の上にも悪びれず座っていれば、自ずと心に余裕と元気が湧き、まあ、物は試しだ、切り抜けられるところまで切り抜けてみよう。どうせこの家の主婦として運....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ね。」とＮ老人。 「とにかく、お昼餐でもやるか。」 「や、しめた、蕎麦屋がある。物は試しだ。はいって見ようじゃないか。」 それは汚ない縄｜暖簾式の、どかりと腰....