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物上
「物上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、あれなる若者を苦しめて縊死《いし》を決行させるにいたった原因は、あの疑惑中の人
物上方の絹商人ひとりにあるに相違なく、もしまた彼女が今の呼び出しに応じないで、少....
「行人」より 著者:夏目漱石
い先の姿になって出て来いと云ったそうです。坊さんは寮舎に帰って、平生読み破った書
物上の知識を残らず点検したあげく、ああああ画《え》に描《か》いた餅《もち》はやは....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
素人家へ置きたいと云うのが少ない。しかしいろいろのがある。「宿料低廉、風呂付、食
物上等」こんなのは普通なのだ。「ハイドパークに面し地下電気へ三分地下鉄道へ五分、....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
「味噌汁の実まで相談するかと思うと、妙なところへ干渉するよ」 「へえ、やはり食
物上にかね」 「うん、毎朝梅干に白砂糖を懸《か》けて来て是非《ぜひ》一つ食えッて....
「浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
よる詐欺結婚の直後に起こりたること。 十一、各事件を通じて、その死によって直接財
物上の利益を享《う》けたる者は被告にして、かつ被告一人なること。 十二、各事件を....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
親分の血を引いたものでしょう。親分生活は嫌いながらにあの辺切っての睨み上手の、捕
物上手で、云ってみれば田舎のシャロック・ホルムズといったような名探偵肌の人だった....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
イイキ、俗称イノシシという。外国と等しく本邦にも野猪を畜って家猪に仕上げたは、遺
物上その証あり。また猪飼部《いかいべ》の称や赤猪子《あかいご》てふ人名などありて....
「衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
スの神々の間にさえ大評判になった。神々の首領であったジュピターはその大変美しい織
物上手の娘が好きになった。ジュピターの妻ジュノーの嫉妬がつのって、到頭哀れなアナ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
かった。 座敷では、大巻運平老がひとりで座を賑わした。老はここでもまたお芳の漬
物上手なことを話し出したが、そのあとで、 「じゃが、本人は少々塩気が足りませんの....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
頬冠りをしている。当時、福岡の種子屋六兵衛老人と並んで、博多随一と呼ばれている捕
物上手の目明、良助。 あとから跟いて行くのは乞食|体の不快な臭気のする老爺。大....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
りよう》の意味がまったくめちゃくちゃになっている。謡《うた》はきれいな謡だが、実
物上からいえば、まったく事実を取り違えたつまらぬ謡《うた》だ。はじめてその事実の....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
してその芸術史的見地より、これらの建築物が到底大化以後の所産でありえないと云う実
物上の立論を繰り返したもののみで、文献上より余輩の立論に対して、学界を首肯せしむ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
世人の多くその事に不注意なるは惜むべし。大原満の失敗も必竟《ひっきょう》ずるに食
物上の無智識より起れるなり。「中川君、僕はモー懲々《こりごり》したからその後は一....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
も一々精選せざるべからず。精選は智識の力なり、金銭の力にあらず。大原も今は漸く食
物上の趣味を感じ「中川君、僕も今度朝早く飼禽場《しきんじょう》へ往《い》って胸の....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
を生姜《しょうが》と煮ますよ」 第三百十四 鮮肉の毒 猪と生姜《しょうが》は食
物上の一問題なり。お登和嬢「サアその事は私も色々に研究してまだよく訳《わけ》が分....