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物価高
「物価高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物価高の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河沙魚」より 著者:林芙美子
をぎょろりと光らせた。さて、いくらつけたらよいかと問われて、千穂子は、このごろの
物価高の相場を吊《つ》りあわせる金銭の高が云えなかった。こうした不幸な子供の貰い....
「若い世代の実際性」より 著者:宮本百合子
上手で南京米をうまく炊いて、やりくりをともかく良人に苦労かけずにやってくれる妻、
物価高の生活に耐えてくれる妻、そういう妻を求めている傾向だというわけであろう。 ....
「働く婦人」より 著者:宮本百合子
もっており、収入のつかい道は子供のための貯金、家賃米代が主であってみれば、昨今の
物価高につれそこに彼女たちの労働の現実の微妙な生きた必要がうかがえると思える。 ....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
ようとしても止まらない力で上昇した。しかし、労働賃銀というものはあらゆる場合に、
物価高に追付くことは不可能であるから、二つの間の開きは破局的に大きくなって来た。....
「求め得られる幸福」より 著者:宮本百合子
首切りにとりかかりはじめたのは、民自党が第一党になったからです。税に苦しめられ、
物価高に苦しめられ、やっと子供を教育しようと思っている母親に、今日の新聞(二月二....
「一票の教訓」より 著者:宮本百合子
活を建て直す実効はなかった。特に、生活資金の二百円削減は、日常生活に甚大に響き、
物価高、米の配給遅延の悪条件、失業の増大等、どんな婦人の心にも、このままではやっ....
「便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
たと見えるところは十軒たらずで、のこった数百軒、数千軒の家は、軍需景気につれての
物価高にじりりじりりとさいなまれはじめて来ていたのが実際であった。だから、戦争に....
「現代史の蝶つがい」より 著者:宮本百合子
というものの底知れぬ深さにおどろきを禁じ得ないと思う。この生活苦にあえぎ、悪税・
物価高にあえぎながら、日本人の大多数がなお無条件に純然たるブルジョア政党、反民主....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
れる点だろう。蔵相は場合によっては暴利取締令を出してもいいとさえ云っているから、
物価高の主原因の一つが投機思惑にあると、本当に政府が信じ込んでいるように世間は誤....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
や友達と全く絶縁された位置を、さみしいとも思わなかったし、後悔もしていなかった。
物価高で、毎月のように月給は昇った。私は小さな陶器の灰皿を買ったりしてたのしんだ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
くという。余は最初、南アフリカに滞在して内地を視察する予想なりしも、南アフリカは
物価高直にして、英国もしくは豪州の二倍なりといい、これに加うるに、日本人拒絶のた....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
前のいかなる年の記録をも破り、文久に入ってのちはもう比較にもならぬ高値に上った。
物価高騰はたんに生糸、茶以下の大量的輸出によったばかりでなく、一個の輸入品も介在....