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「物入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
た」 新「叱《し》っ、何も仔細はない、頭へ届けさえすれば仔細はない事だが、段々物入りが続いて居る上に又物入りでは実に迷惑を致す、殊《こと》には一時面倒と云うの....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
、よくお礼をいって、御用人に早く返しておしまいなさいよ」 「だが、こっちも病気で物入りの多いところだろう」と、林之助は手を出しかねて、もじもじしていた。 「なに....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
頭は、女どもに長上下《ながかみしも》の紐を解かせながら、 「どうもいかん! また物入りだ! しょうがない!」と、呟いて、袴を脱ぎ捨てると、 「二人に早く来るよう....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
増しても、とても成就はせぬことじゃ。あたら、了海どのに騙《たぶら》かされて要らぬ物入りをした」と、彼らははかどらぬ工事に、いつの間にか倦ききっておった。市九郎は....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
を配って歩くわけには行かず、祝儀《しゅうぎ》、衣裳《いしょう》、心付けなど大変な物入りで、のみこんで抱主《かかえぬし》が出してくれるのはいいが、それは前借になる....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らい》の一統がお供するので、人数も人数なんだが、諸事万端の入費をくるめた当日のお物入りなるものがまたおろそかな高ではないので。ご本丸をお出ましになるのが明けの七....
クチマネ」より 著者:海若藍平
表へ駆け出して見ると、お天気の良い往来に人通りも無く、二三軒先で支那人が、 「反物入りまションか」 と云っているだけです。 春夫さんはあの支那人が誘拐《かど....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばならない。しかも本寺から多勢の僧侶を送って来ることは、道中の経費その他に多額の物入りを要するので、本寺の僧はその一部に過ぎず、他は近所の同派の寺々から臨時に雇....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の一件につきましては、和泉屋さんでも、息子の死骸を引き取るやら何やかやで、随分の物入りであったそうで、なんとも申しようがございません。そんな一件がありますので、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
とも無いとは云えない。殊に三島の屋敷のことであるから、武具馬具を調えるために他の物入りを倹約する、その結果が人減しとなる。そんなことも有りそうに思われるので、高....
わが町」より 著者:織田作之助
が、柳吉はまだ病後の身体で、滋養剤を飲んだり、注射を打ったりして、それがきびしい物入りだったから、半年経っても三十円と纒った金はたまらなかった。 4 ....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
―ラ――とこんな調子にやったならば。」 彼等はげらげら笑った。市会議員の舌の鳴物入りの忠言なんかはこの道で苦労している彼等には真面目に対手になってはいられなか....
百万人の文学」より 著者:坂口安吾
近代的な出版史は短いけれども、この片りんをとどめた例もないようだ。全集だ何だと鳴物入りで思いだしたようにやるが、物自体を本来の裸のままオッ放りだして、需要の限り....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
危害を加えたとしましても、どうして逃げ去ることが出来ましょう。――長唄の囃子、鳴物入りの、絢爛たる舞台の真中に伏せられた鐘の中の殺人。よし犯人が鐘の中に、ひそん....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
温泉から年々いくらかの税金も取れる、早川から冬は砂金が採れる。交通が不便のお蔭に物入りもなく、貧しいながらも困っているものは一人もないという。この兄弟も、銘々懐....