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物別れ
「物別れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物別れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不在地主」より 著者:小林多喜二
署長、弁護士、労働組合代表、農民組合代表、小作人代表、有力新聞記者、岸野側。――
物別れを繰りかえしながら、三度、四度と会見を続けた。 そして出樽以来三十七日間....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
日は雑穀屋の旦那《だんな》のとこさ、相談に来たのですがね。相談にならねえで、はあ
物別れのまま帰ってきたところですが、業腹なものだからここで一本|貰《もら》って…....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
揃えて、何か他の事を案じ顔である。彼が打殺す可く竿をとりに往った間に、トラも蛇も
物別れになって何処かへ往ってしもうた。
四
斯く蛇に近くなっ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
談判したが、「朝田大尉は容易に諒解せず、統帥権干犯については反駁して譲らず、結局
物別れになったそうである」(十三日東朝夕刊)。朝田大尉は諒解する目的で出かけたの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らいのことは知っている。知ってはいるが、今、思い上っている――意見の相違。ついに
物別れになって、かれ大谷は垂井の陣へ引返したのだが――彼は成敗の理数を知ると共に....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
。破《か》けて飛ぶ事がある。あるいは発矢《はっし》と熱を曳《ひ》いて無極のうちに
物別れとなる事がある。凄《すさ》まじき喰い違い方が生涯《しょうがい》に一度起るな....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
得ないために、世間からさもさもハイカラ女の物ずき仕事のような、冷評を浴びせられて
物別れになるのである。 ところが我々の同胞国民は、その癖随分|真似のすきな人種....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
い。あっても終いには水掛論になってしまうので、結局、お互いの脳髄を怪しみ合いつつ
物別れになる事が、最初から解り切っている。そうして、あーでもない。コウでも駄目だ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「それではこまる」 「と申されても」 「はて。このままでは二人の仲もついに論争の
物別れになりかねん。左中将どの。もう止そう。こよいは酒なと酌み給え」 「酒はすで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
御堂まで出て来て、親しく尊氏と和談をとげるまでの運びになっても、それはまた冷たい
物別れを見てしまった。――直義のそばに付いて離れぬ桃井直常や強硬なるほかの猛者ど....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の体は、このほうが必ずお渡しいたすであろう。嫌と仰せあらば、それまでのこと、まず
物別れとなるよりしかたがありますまい。したがって、お綱の生死、この周馬には責任も....
「享楽人」より 著者:和辻哲郎
そうでないと言われるのが自分には不満に感じられたほどに。でその時はこういう結論で
物別れになったのが、気持ちよくなかった。しかしこの言葉が自分の頭に残って、幾度か....