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物堅い
「物堅い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物堅いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
なし、隠居の親たちがあるのではなし、自分はれっきとした一家の主人でありながらも、
物堅い武家屋敷にはそれぞれに窮屈な掟がある。いくら家来でも譜代の用人どもには相当....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
しゅうござんすから」 家がやかましいのか、本人の生まれ付きか、とにかくにお里が
物堅い初心《うぶ》な娘であることは林之助も認めていた。彼はお絹の妖艶な顔と、お里....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
でうまく勧めて追い出したのではあるまいかとも疑われた。年も五十を越して、ふだんは
物堅いように見えていた女房に、そんな恐ろしい魔が魅すというのも、やはり死霊の祟り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れを疎略に扱うことは出来なかった。かれは下屋敷に移されて何不足なく暮らしていた。
物堅い武家に多年奉公していた叔母は、自分の甥に芸人のあることを秘していた。ことに....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
いつでもキャプテンのお召しがない限り、お供はしないことになっております」 この
物堅いハッキリした下男の答は、ひどく私を喜ばした。東屋氏はなおも続ける。 「いっ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
礼ですが、略式に願って、料理屋のものでご免を頂きます」と叮嚀に一礼した。 私は
物堅いのに少し驚ろいて、そして出しなに仰々しいとは思いながら、招待の紋服を着て来....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い。 彼女は、去年の暮ごろに江戸へ帰って、十余年ぶりで高源寺をたずねて来たが、
物堅い定吉は寄せ付けないで、すぐに門端から逐い出そうとすると、お歌は門前の地蔵を....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
半蔵を手討にしたか。勇作等も大抵は察していましたが、表向きは彼のゆすりの一件から
物堅い主人の怒に触れたのだと云うことにして、これも先ず無事に片附きました。 そ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、滅相もござりませぬ。恵んで頂くいわれござりませぬゆえ、頂戴出来ませぬ……」 「
物堅いこと申す奴よ喃。いわれなく恵みをうけると思わば気がすまぬであろうが、これな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ても見たい……。』 私の胸はそうした考えで、一ぱいに張りつめられて了いました。
物堅い良人の方でも、うわべはしきりに耐え耐えて居りながら、頭脳の内部は矢張りあり....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いることは、家じゅうの女中たちもみな認めているらしかった。しかしここの家は非常に
物堅いから、客と女中とのあいだにそんな間違いのあったためしは一度もないと、お文さ....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
彼は足早に歩き出した。何の不安も無さそうである。 その翌日のことであったが、
物堅い馬琴は約束通り、儀礼年始の正装で一九の家を訪れた。 「これはこれは滝沢氏、....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
たのですからね。勿論、家内の一存でどうすることも出来ない。矢田の母はむかし気質の
物堅い人ですから、涙をこぼしてあやまって帰ったそうです。それから家内はすぐ娘をよ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
毎に、彼は猛然として、これと戦って来ている。彼が、役者にも似合わず『藤十郎殿は、
物堅い御仁じゃ』と、云われて、芝居国の長者として、周囲から、尊敬されているのも、....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
ここを逃げて帰るに限るとも思った。しかし年季中に奉公先から無暗に逃げて帰ったら、
物堅い両親が何と云うであろう。たといこの訳を打明けても恐らく真実とは思ってくれま....