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物外
「物外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物外の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
《しんおう》の気韻《きいん》に傾倒せぬ者が大多数を占めているから、この種の筆墨に
物外《ぶつがい》の神韻《しんいん》を伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ。 ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
世の中へ交《まじ》りたいのだか、くだらぬ事に肝癪《かんしゃく》を起しているのか、
物外《ぶつがい》に超然《ちょうぜん》としているのだかさっぱり見当《けんとう》が付....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いかと思いました。その人に違いないと思いました。 その頃、知られた大力の坊主に
物外《もつがい》和尚というのがありました。この和尚は拳骨の名人であります。拳を固....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
さらに尚一つの例を言えば、西行《さいぎょう》は自然詩人の典型であり、専ら自然の風
物外景のみを歌っていたにかかわらず、今に於ても昔に於ても、彼の歌風は主観主義の高....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
によって、他国に分つものが何もないかもしれない。各国における気候の変化に基づく穀
物外国貿易以上に出ずる穀物貿易は、むしろ一時的な偶発的な貿易であり、これは主とし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
らに炎暑を覚えず。ことに夜に入りて明月空際に懸かり、清光を送り来たるところ、実に
物外の趣ありて、人をして吟情を動かさしむ。また、思郷の念禁じ難し。 壮遊心未。 ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
のである。現世に失敗しても、心の世界で低劣に堕しまいとする誇りである。それが眼を
物外に向けることを教えたのである。『千載集』の歌はこのようにして、すべて風流であ....
「それから」より 著者:夏目漱石
していながら、何時《いつ》見ても疲れた態《たい》もなく、噪《さわ》ぐ気色もなく、
物外に平然として、年々肥満してくる技倆《ぎりょう》に敬服している。 誠吾が待合....