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物好き
「物好き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物好きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
はりきぼとけ》を見物に来るものも稀《まれ》ではない。しかしこの女のここへ来たのは
物好きだけではなさそうである。神父はわざと微笑しながら、片言《かたこと》に近い日....
「或る女」より 著者:有島武郎
い呼吸をしている葉子の顔が、自分にすら物すごいほどなまめかしく映っていた。葉子は
物好きらしく自分の顔に訳のわからない微笑をたたえて見た。
それでもそのうちに葉....
「或る女」より 著者:有島武郎
知っているかのように、その飛び放れて華手《はで》造りな姿に目を定めるらしかった。
物好きなその人たちは早くも新聞の記事を見て問題となっている女が自分に違いないと目....
「星座」より 著者:有島武郎
胸の中に湧き立たせた。男の生徒たちはおおっぴらに女の方を見やる機会を得て、等しく
物好きらしい眼を、渡井のしゃくり上げる肩のところから、手拭の下に真赤にしている横....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
った。ある秋の末にクララが思い切ってその説教を聞きたいと父に歎願した時にも、父は
物好きな奴だといったばかりで別にとめはしなかった。 クララの回想とはその時の事....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
しがった。 馬鹿な奴だとは思ったが、僕はもう未練がないと言いたいくらいだから、
物好き半分に根問いをして見た。二階にはおやじもいるし、他にまだ二人ばかりいる。跡....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
の見附跡らしい背の高い古い石垣が聳えていた。ここはあまりに陰気くさいので、いかに
物好きな散歩者たちも近よるものがなかった。一郎は前後の見境もなく、石垣の横手から....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
奴は何んの事は無え、贅沢三昧をして生れて来やがって、不足の云い様は無い筈なのに、
物好きにも事を欠いて、虫手合いの内懐まで手を入れやがる。何が面白くって今日今日を....
「火星探険」より 著者:海野十三
たのだ。 この間、研究団員も、この洞窟の中まで点検には入って来なかった。いくら
物好きでも、まさかこんな奥深い中に人間が隠れていようとは思わなかったからである。....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
いうことである。 さて、その翌朝とはなった。 私たちは、軽装して、宿を出た。
物好きに城塞見物をやって楽しもうという腹に見せかけ、ホテルのボーイに充分の御馳走....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
を発見して、おやと思った。 (何をしているのだろう?) 空襲見物では、あまりに
物好きである。彼は、自分のことは棚に上げて、そう思った。 その二つの人影は、屋....
「作画について」より 著者:上村松園
追及しませんでした。 間もなく会期も終るので、そのままにして置きましたところ、
物好きな人がいて、あの絵をぜひ譲ってほしいと言って来ましたので、私は念のために鶯....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
たので、初めの分はアトから補ったのであろう。私の外曾祖父というのは戯作好きでも書
物好きでも、勿論学者でも文雅風流の嗜みがあるわけでもないただの俗人であったが、以....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
だも碌々見たものが少なかった時代だから、忽ち東京中の大評判となって、当時の新らし
物好きの文明開化人を初め大官貴紳までが見物に来た。人気の盛んなのは今日の帝展どこ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
それにしてもアノ美貌を誇る孔雀夫人が択りに択って面胞面の不男を対手にするとは余り
物好き過ぎる。尤も一と頃|倫敦の社交夫人間にカメレオンを鍾愛する流行があったとい....