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物差し
「物差し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物差しの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
思われて、寂しくなったこともよくあった。が、一方またそれが自分の芸術的良心を計る
物差しとして、尊《とうと》みたいと思ったこともたびたびある。ただ、それを俗人の穿....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
てあるものを除《の》けてくれた。 見ると、ただ輪郭のぼんやりした明るいなかに、
物差しの度盛りがある。下に2の字が出た。野々宮君がまた「どうです」と聞いた。「2....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
あたった。信玄は陣形を十二段に構え、迂廻軍の到着迄持ちこたえる策をとり、百足の指
物差した使番衆を諸隊に走らせて、諸隊その位置をなるべく保つようにと、厳命した。 ....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
った。その頃、薙髪していたので、伝心|月叟と名乗り、大峰の山伏であるが、祈祷の巻
物差しあげたいと云う。折柄修理不在で、番所の脇で待たされていたが、折柄十人|許り....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
してただならぬ風貌の男児があったが、三歳にして手足の筋骨いやに節くれだち、無心に
物差しを振り上げ飼猫の頭をこつんと打ったら、猫は声も立てずに絶命し、乳母は驚き猫....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
た、そして左をかく時は一生懸命に右との関係を考え考えかいて行った。 コンパスや
物差しを持って来て寸法の比例を取ったりしたが、鏡が使ってあるだけにこの仕事は静物....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
山開きといえば大した人気、さかんな行事の一つであった。
この期間、別当のお庭見
物差しゆるす。
別当は、大栄山永代寺金剛神院。
鎌倉鶴ヶ岡八幡宮に擬して富ヶ....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
、万事をそれに従ってきりもりしようという主義です。いわばあらかじめ「法律」という
物差しを作っておく主義です。ところが元来「
物差し」は固定的なるをもって本質とする....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
ばかりの血の流れた跡がついていました。 やがて何思ったか、俊夫君はポケットから
物差しを出して先生の髭の長さを計りかけました。先生の口髭は立派な漆黒の八の字で、....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
かというと、それはいわゆる法治主義です。法治主義はこれを最もひらたくいえば一種の
物差しのようなものです。あらかじめ法律という
物差しをこしらえておいてこれを裁判官....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
見ると、道子はキッと唇を噛みながら暫く、あらぬ方を見つめていたが、やがて、 「著
物差し押さえされました」 本を読むような、表情のない声で言って、ふと、微笑むと....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
! そったらもの向けてるから、火の神様に罰が当ったんだ。馬鹿!」 姉のお恵が、
物差しで自分の背中をかきながら、――「その端なくなってしまえば、ええんだ。」と、....
「迷信解」より 著者:井上円了
説くところは日本の人相ほどにはなはだしからざるも、その判断があまり器械的にして、
物差しをもって精神を測るがごときありさまなるは、笑うべきの至りである。手相術は東....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
える、と言った言葉を思い出した。 基本 ──小学生に── 目盛りの正しくない
物差しを用いると、たとい
物差しの用い方が正しくても、物の長さの正しい値を知ること....