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物怖じ
「物怖じ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物怖じの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「平馬と鶯」より 著者:林不忘
らも平馬はにっこりした。どこの鶯だろう? よほど人に馴れているとみえて、こうして
物怖じもせずに平馬の手にとまっているのだ。大事に飼われていたのが、何かのはずみで....
「操守」より 著者:豊島与志雄
びてる首、無意味に高い鼻、しまりのない唇から洩れる金歯の光、わりに不活溌な、でも
物怖じせぬ眼付、それに綺麗な肌を以てして、彼女は、余りにのんきすぎるか、智恵がま....
「ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
頭が甚だ多い。これは盲目で聾だ。 メクラ、ツンボ、と言えば、非人情なことには、
物怖じしない者の例として持ち出される。然し、
物怖じしない代りには、何かに激発され....
「魔都」より 著者:久生十蘭
がら、埓《らち》もなく、お花さんお花さんと連呼する。
花は間も無く正気づくと、
物怖じしたように長椅子の上に跳起きた。さすがに血の廻りの悪い加十の胸の中にも、温....
「童話」より 著者:室生犀星
抱えてくるのが見えると、小さい弟はそれを憚るように見つめた。あるかないかくらいの
物怖じしている様子が、弟の眼の中に震えているのを姉は見入った。 「お姉さま、――....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
ったので、今度は続けさまにベルを押した。 すると、ドアが細眼に開いて、そこから
物怖じしたような二つの眼が覗いた。 「東京から参りました。御主人にお取り次ぎ下さ....