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物思わしい
「物思わしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物思わしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
る暖かみを与える笑《え》くぼを失おうとしてはいたが、その代わりにそこには悩ましく
物思わしい張りを加えていた。ただ葉子がどうしても弁護のできないのはますます目立っ....
「道標」より 著者:宮本百合子
ない賑わいがはじまっていながら、灰色に静かな界隈ではそのしずけさがひとしお深く、
物思わしいような時刻だった。一人だった須美子は、伸子たちに訪ねられて、うれしさを....
「源氏物語」より 著者:紫式部
《じょうず》な字だ」 歎息《たんそく》をしたあとで、大臣はじっと空間をながめて
物思わしいふうをしていた。源氏が婿でなくなったことが老大臣には惜しんでも惜しんで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ょう」 などと言い合っていた。 西の対に帰った源氏はすぐにも寝室へはいらずに
物思わしいふうで庭をながめながら、端の座敷にからだを横たえていた。燈籠《とうろう....
「源氏物語」より 著者:紫式部
帰った。こんなに早く出て行かないでもいいはずであるのにと、明石はそのあとでやはり
物思わしい気がした。紫の女王はまして、失敬なことであると、不快に思っているはずの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ことは自分にできないのであると思召された。 素知らぬふりはしておいでになるが、
物思わしいふうは他からもうかがわれて、夫人は危い命を取りとめた自分をお憐みになる....
「源氏物語」より 著者:紫式部
にはどう書いていらっしったのでございますか」 と言っていたが、姫君は返辞もせず
物思わしいふうをしている。 「おいでになります時にわざとおはずしになったようにな....
「雪の日」より 著者:永井荷風
かくなる時の、つかれて沈みきった寂しい心持。その日その日に忘られて行くわけもない
物思わしい心持が、年を経て、またわけもなく追憶の悲しさを呼ぶがためかも知れない。....
「三国志」より 著者:吉川英治
。酒にも平和にも倦んだ。 それとは違って、玄徳は近ごろひどく無口であった。常に
物思わしいふうが見える。 「長兄も、この頃はようやく、ふたたび戦野が恋しくなって....