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物惜しみ
「物惜しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物惜しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
って歩んでいる。山の祖神《おやのかみ》の翁はその冥通の力をもって、これはこの山は
物惜しみする中年女の山なのではあるまいかと察した。また恥かしがりやの生娘の山なの....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
、糞の分子と分子とがやや空隙《くうげき》を生ずる時において熱湯を――この時決して
物惜しみしてチビチビあけてはならない、思い切って――どっと一時に打《ぶ》ちあける....
「小公女」より 著者:菊池寛
愛情のしるしとして、このお茶の会を開くことになさったのです。皆さんはセエラさんの
物惜しみしない気持を、きっとうれしくお思いになることと存じます。そのしるしに皆さ....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
出してしまうと、その壺の底には、ほんの少ししか牛乳が残っていませんでした。ああ!
物惜しみをしない人が、貧乏な境遇に苦しめられて、どうにもならないということは、な....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
に対する奨励金たる作用をする。そしてそれは、ほとんど財貨の共有を生じているほどの
物惜しみしない精神2)と相俟って、人口をその極点まで押し進め、そして人民全体を最....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
る。
またその第二は、法定教区課税は著しく増加され、また自発的慈善による寄附が
物惜しみせず立派に行われたのに、我国は、働く能力と意思を有つ多数の労働者や職人に....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
付かねえような、大けえお方でやすな。 これはと思ったら、思い切った金をかけて、
物惜しみなさらねえ……御自分も苦労なすった方でやすから、憐れみが深くて、実によう....
「三国志」より 著者:吉川英治
て澄ましこんでいた。 「羽将軍、君は武人のくせに、えらい倹約家だな。なぜそんなに
物惜しみするのかね」 「え。どうしてです? 特に贅沢したくもないが、また特に倹約....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のだった。――こうした例は、このほか彼の日常にはたくさんあった。そこで近ごろ、「
物惜しみせぬ大将よ」とは、雑兵の末端までが、尊氏をさしてすぐ言うことばとなってい....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り出して、少しばかり包もうとする、童はそれを見て、 「折角旅人が乞わるるに、何を
物惜しみ申すべき――」 と、手桶を置いたまま、すたすたと立ち去ってしまった。 ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
いたというから、お返したまでさ。人が物惜みするのを貰ったってしょうがない。」 「
物惜しみ。これはおかしい。いったい、どの仁がそう申したか。怪しからん事じゃな。」....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
であります。いずれもその昔一人の旅僧がそこを通って、一つくれぬかと所望したのを、
物惜しみの主人が嘘をついて、これは硬くてだめですとか、または渋くて上げられません....