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「物日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物日の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
らなければならない。二階じゅうの者にも相当のことをしてやりたい。まして歳の暮れの物日《ものび》前だ。それ相当の用意がなくって廓へ足踏みができると思うか」 彼は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
縁のまぶたをいよいよ泣き腫らしていた。花火はなくともきょうは川開きという書入れの物日に、彼女はふだん着の浴衣のままで家を飛び出して来たらしかった。 「どうしたん....
田舎教師」より 著者:田山花袋
てしまったので、気のおける人がなくなって、学校の空気がしっくり自分に合って来た。物日の休みにも、日曜日にも、たいてい宿直室でくらした。利根川を越えて一里ばかり、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
や林は、此時こそ思い切り切りまくる。昔は兎に角、此の頃では世の中せち辛くなって、物日にも稼ぐことが流行する。総郷上り正月にも、畑に田にぽつ/\働く影を見うける。....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
なく取去られて、浮世は元の姿にかえるも淋しい。しかし江戸ッ児には二十日正月までの物日はまだ乏しくないのだ。 揚り凧 一度は世に捨て果てて顧みられざった名物の....
男女交際より家庭生活へ」より 著者:宮本百合子
正当なものを得ようとします。従って、店々の競争も、そこを狙って行われる。一般の買物日と定った日に纏めれば、多くの場合、場所により懸け値を少くよい物品を得られると....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ってワイワイと集まって来ました。ついには道庵先生の庭から屋敷の前まで、露店が出て物日縁日《ものびえんにち》のような景気になりました。 鰡八大尽の妾宅の喧《やか....
うむどん」より 著者:佐藤垢石
えるのである。 家内も、子供も野菜が好きだ。山国にいたころの家族は、お正月とか物日とかでなければ塩ものの魚さえも味わうことができないのであった。だから大量の野....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ら町へ売りに来る種々な菌を漬物と一緒にそれへ漬け込むのである。同町では定まった漬物日があって年中行事の一つとなっており、その日に各家で漬物をする。その漬物桶が家....
空罎」より 著者:服部之総
んめ》 三条 船数並びに商売銀高ともその限を立つることなし、しかしながら持渡の貨物日本人|好《このみ》に応ぜず、或《あるい》は代り品等|差支《さしつかゆ》る時は....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
義経と称する者が、あるいは、それではないかという臆説も前からある。川崎庸之氏の人物日本史などもそれをいっているが、この疑問へ、もっと具体的な推理を与えてみること....
俗臭」より 著者:織田作之助
よ。十銭屋が一番良えわ」 十銭屋とは、入場料十銭の漫才小屋のことである。正月の物日で満員の客に押されて漫才をきゝながら時間を費していたとは、如何にもうなずける....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
名残をとどめている仁王門のそばの七けんに「新煉瓦」という名称のついていることや、物日なんぞ人の出さかるときは東側にいて西側の店の見えないことや、等、等、等。――....