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「物書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物書の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
紙を展《ひろ》げて見たり、部屋の内をあちこちと歩いて見たりして、とかく思うように物書くことも出来ないのを残念に思った。部屋の壁には小さな海の画の模写らしい額が掛....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
のの一半は殆どあの十年間に動いた人達の仕事であるのを見ても、明治二十年代は筆執り物書くものが一斉に進むことの出来たような、若々しい一時代であったことが思われる。....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
うである。 当時の留守居役所には、この二人の下に留守居|下役杉浦多吉、留守居|物書藤田徳太郎などがいた。杉浦は後|喜左衛門といった人で、事務に諳錬した六十余の....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ボルトの『日本動植物譜』は特に我が文明の為に紀念すべき書たるに留まらず、古今の博物書中の大著述の一つで、殊に日本に関する博物書としては今猶お権威を持ってる名著で....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
から、山中の室としてのさびが、心ゆくばかり味わわれる。主人は署名帳を出して、私に物書けというから、三、四行したためた。私は登山すべく、あまりに老いたとは思ってい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
う》君の『日本風俗志』中巻に、『伊豆日記』を引いていわく、八丈の島人女を恋うても物書かねば文贈らず、小さく作った草履を色々の染糸を添えたる紙にて包み贈る。女その....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
を信ぜじ(中略) すべて眠りし女《をなご》今ぞ目醒めて動くなる。 一人称にてのみ物書かばや われは女《をなご》ぞ 一人称のみにて物書かばや われは。われは。 わ....
奥の海」より 著者:久生十蘭
お土産といって江戸小間物を進上するのが式例になっている。 御用所用人の役目で、物書などの出る幕ではないのだが、その年は事務繁多で手繰りがつかず、金十郎が用人並....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
と、将軍は内心怒りを発したが、それは無理である。 けれど、医師は本草綱目や動物書くらいは通覧しているから、七面鳥の習性は知っていた。 中に、心利きたる医師....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
くるときは、心も穏になり申者に候。小生なども其|積にて、日々勉学いたし候事に候。物書くこともあながち多く書くがよろしきには無之、読む方を廃せざる限は休居候ても憂....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
れにも、うまい茶杓を削れの、竹花入れを切ってみよとまではあえて迫ろうとしないが幅物書く力はなくも、古幅の真偽もだいたいわかり道具にも一通りは眼利きである。望まれ....