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物申
「物申〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物申の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しと近づきながら、いとも正々堂々と大音声《だいおんじょう》に呼ばわりました。 「
物申そうぞ!
物申そうぞ! 直参旗本早乙女主水之介、当所司代殿に火急の用向きあっ....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
して、前後に随《したが》いました。殿下は知事の御案内で御仮屋へ召させられ、大佐の
物申上《ものもうしあぐ》る度に微笑《ほほえみ》を泄《もら》させられるのでした。群....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
早やここから歯をスーと吸って、先刻からお待ち申して……はちと変だ。 さては誰も
物申に応うるものが無かったのであろう。女中は外出で? お蔦は隠れた。…… 無人....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
り、それは物云はぬ薬なり、さる物参らせたらば、食ふ真似をして捨てたまへ、さて人の
物申さば、呻きのみ呻き給へ、さて後に、いかにもして逃ぐべき支度をして逃げ給へ、門....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
」 ほんのりと両頬に上気させて、莞爾と美しく笑みを残すと、 「頼もう。頼もう。
物申す」 大振袖に揚心流小太刀の名手の恐るべき腕前をかくして、殊のほか白ばくれ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
めがッ。忘れるな! 覚えておれよ!」 「ウフフ。わはは。そこへお越しか。声の主に
物申そうぞ。主水之介、今宵のことは内聞に致してつかわしましょうゆえ、二万四千石が....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
かと門の外へ歩みよると、ほとほと扉を叩いて中なる門番に呼びかけました。 「あの、
物申します。わたくし、旅に行き暮れた女子でござります。宿を取りはぐれまして難渋ひ....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
しろ、大作って奴は、平の将門《まさかど》みたいに、七人も影武者があって――」 「
物申う」 お歌が 「あい」 と、返事して 「誰方かがお越しに」 「金は仕舞っ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ゃ、うかとは、舞台が踏めませんわい」
雪之丞は、目を輝かして、師匠がさし示す見
物申込の書き込を、のぞくのだった。
そこには、多くの、江戸で名だたる、花街《い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やって来ました。 それと聞いて渡辺は神尾の駕籠近く寄って来て、 「お乗物の中へ
物申す、拙者は甲府勤番支配の与力渡辺三次郎、失礼ながらお名乗りを承りたい」 こ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かよろしく。日頃御厄介になっちょりますから今度見舞いに参りましたについて、一寸お
物申したいと云って居りますから」云々。そうすると、私が「どうぞよろしく」とおじぎ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
磔柱は車に積まれ、船山城の大手口まで、大勢の手で引き込まれた。 「船山城中へ
物申す。岡郷介を戻せばよし、飽迄知らぬ存ぜぬとあらば、郷介の父郷左衝門をこの場に....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
叩いて
「出来ましたっ、夜鷹の仮声《こわいろ》は天下一品」
と、いった時、
「
物申《ものも》う、講釈師、桃牛舎南玉の住居はここかの」
南玉が
「へい」
と....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
の騎馬武者が、夕暮れの余吾の湖のほとりで行き遭った。 「ヤアヤア、それなる御方に
物申す。お見受け申す処、しかるべき大将と存ずる。願わくは一合わせ見参仕りたい」 ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
もなしに鍋の粟を洗っていると、門には又もや案内を求める声がきこえた。 「御庵主に
物申したい。」 呼ばれて初めて振り向くと、秋の日はいつの間にか吹き消すように暮....