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物的証拠
「物的証拠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物的証拠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とまず神田の家へ帰った。いつの世でも探索に従事する者は皆そうであるが、情況証拠と
物的証拠のほかに自分の判断力を働かせなければならない。茶の間の長火鉢の前に坐って....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
に投げ出してしまった。 そこで大月は色々と策戦を練った上、容疑者の検挙に何等の
物的証拠のないのを主要な武器として、今度は直接警察署長に向って猛烈な運動をしはじ....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
……まだ寒いカラッ風の吹く冬の晩のことなんです……で、この放火事件も、別に確かな
物的証拠ってやつはなかったんですが、悪いことには事件の起る数日前に、被疑者の三浦....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
罪と決し、こゝに予審は終結した。 殺人放火の大罪でありながら、本人の自白以外の
物的証拠は乏しい。而も本人は自白を否認しようとしている。支倉は果して有罪か。公判....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
残念ながら不可能なのであります。すなわち、健吉くんが未亡人に亜砒酸を与えたという
物的証拠が一つもないのであります。それがためわたしたちは、はたと行き詰まってしま....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、犯行についても、全然喋りませんな。上衣の襟クビを捉えられた地下鉄寮と、もう一軒
物的証拠を残してきた旅館の犯行のほかは否認して、口をつぐんでいます」 なるほど....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
いかないから、適切な例を知ることができない。 犯罪というものは、ぬきさしならぬ
物的証拠をあげるということが却々できないもののようだ。いきおい状況判断によって裁....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
をさせて、だいたい警察のやり方がなってやしねえや。最新の科学を利用してテキパキと
物的証拠がつかめねえのかやい。銭形平次時代みたいな実演会なぞ今どきやるとは何事だ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
やりくらいあるかもしれない。良人を、のっぴきならぬように、取って押えるには、何か
物的証拠をと、探しているのだが……。 今まで、夫婦間に、何一つ隠すところのない....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
必要であった必然性も現れているのである。それはなぜであろうか。 その「ナゼ」を
物的証拠で推理するのはどんな名探偵でも不可能で、特に私のような素人歴史探偵には困....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
しかし、伊東の殺人事件の場合には、甚だ多くの手がかりがあって、状況証拠だけでも(
物的証拠は当局の正確な発表がないから分りませんが)抜き差しならぬ性質の容疑を証明....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
ま、無人の内部で、何者かのために殺害され、第一人称にて記された人物が、情況、及び
物的証拠によって、犯人を推理する――というのである。 記述の方法は、うら若き、....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
トルそのものが発見されぬ以上、何の手がかりにもならなかった。兇行の現場には何一つ
物的証拠はなく、従って、外相暗殺は、「|完全な犯罪」といってもよいものになった。....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
電話された。 そうしている間に、H署には、次のような情報が蒐集され、又、細密な
物的証拠品が発見されてきていた。そしてそれは、事件を大きく「|絞り開け」すると重....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
て出てゆきましたが、それから五分たたぬうちに署内は大騒ぎになりました。 唯一の
物的証拠であった手拭いが紛失したのであるから、警察としては大失策と言わねばなりま....