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物知り顔
「物知り顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物知り顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
日陰男ってえいうのは、きっとそれですよ。何かつきものでもしたにちげえねえですぜ」
物知り顔にさっそくもう始めた伝六をしりめにかけながら、ずかずかはいっていくと、 ....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
。――路は分れて二筋となる」 「左へ切ればここまで十|哩《マイル》じゃ」と老人が
物知り顔にいう。 「ランスロットは馬の頭《かしら》を右へ立て直す」 「右? 右は....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いるところを拝見すると、僕はいつでも Agnodice の逸話を思い出すのさ」と
物知り顔にしゃべり立てる。「またむずかしい名前が出て来ましたね」と寒月君は依然と....
「魔王物語」より 著者:田中貢太郎
妖怪がいて、持ちあげているから、其処を捕まえさえすれば好い」と、云うようなことを
物知り顔に説明する者もあった。 夜が更けて来るに従って十月|比の陽気のように冷....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。そのために、ハスレルは日の光にたえられないで常に暗闇の中で生活してるのだと、
物知り顔の人々は言っていた。 ついにクリストフは、その偉人に近づくことができた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の話をやめさせ、彼の服装についてあまりありがたくない注意をしたり、または攻撃的な
物知り顔で、彼の下品な言葉使いを指摘したりした。彼はもう口をききたくなく、時には....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も、ある一種の道化味をしだいに導き入れる。講演というものは、退屈な喜劇と世俗的な
物知り顔、その二つの暗礁の間を行き来する種類のものである。敷石の見知らぬ無言の人....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
」とか「世界の広き事思ひしられぬ」とか「智恵の海広く」とか云っている。天晴天下の
物知り顔をしているようで今日から見れば可笑しいかもしれないが、彼のこの心懸けは決....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
けられたとかいうと、自分がいかにも偉い者にでもなったように、人の前でも何もかにも
物知り顔をしておるさまは、傍観《ぼうかん》しても見苦しいものであるし、かつ近づく....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
彼も相槌を打つ。 ――そうですな。本当に熱心な社会学者ですな。 同時にこの
物知り顔の男に序に探ぐって置くことがある。小田島は何気無い風を粧って聞いた。 ―....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
。 「原口が死んだって? やっぱり生きてるのがいやになったのさ」 二、厳めしい
物知り顔がこう言う。 「これはまさしく人生への敗北である」 三、メカニスム的に....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
にも免れたという話だ」 折柄昼やすみで数人集っていたが、中で古参の記者の一人が
物知り顔に乗り出して、 「その公高って少年は非常な利口者で、稀れにみる美貌の持主....
「親鸞聖人について」より 著者:吉川英治
て小説の上で親鸞を書き、その映画で錦之助君が親鸞をやったりした。あのような小説を
物知り顔に書きましたのも、いまにして思えば、若気のあやまちであります……。 小....