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「物種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がって、あげくの果てに、とうとうだんびらをひねくりまわしゃがったんで、命あっての物種と、みすみす千両かたり取られたとこういうんですがね。でも、おやじがそのとき、....
ふもれすく」より 著者:辻潤
出すことが出来たから、その他になんの残り惜しさも感じなかった。 いのちあっての物種!――僕は無意識ながら、この平凡極まる文句を毎日幾度かお経のようにとなえては....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことであった。併しそんな悪戯はもう時代おくれで、天保以後の江戸の世界には、相当の物種をつかって世間をさわがせて、蔭で手をうって喜んでいるような悠長な人間は少なく....
死生」より 著者:幸徳秋水
四 左は言え、私は決して長寿を嫌って、無用・無益とするのではない、命あっての物種である、其生涯が満足な幸福な生涯ならば、無論長い程可いのである、且つ大なる人....
蕎麦餅」より 著者:田中貢太郎
った。まわりは見る見る耕地になって往った。婆さんはまた箱の中へ手をやって一握りの物種を取りだした。人形はそれを耕地の上へ蒔いた。 青い物の芽が簇々と生えてそれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
されることはいやでございますから、どうぞお助け下さいませ、生命《いのち》あっての物種でございますもの」 「実はお前を助けるために連れて来たのではない、わしが助け....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
いえ、わたくしは、けっして長寿をきらって、無用・無益とするのではない。命あっての物種である。その生涯が満足な幸福な生涯ならば、むろん、長いほどよいのである。かつ....
郊外」より 著者:国木田独歩
ッと避けて家の壁に身を寄せた。それを主人はちらと見て、 『何を言っても命あっての物種だ、』と大きな声で独言を初めた、『どうせ自分から死ぬるてエなアよくよくだろう....
北支点描」より 著者:豊島与志雄
する一種の警備兵が配置されている。そしてこの愛護村に対しては、不足物資の配給や穀物種子の分配などが、会社の負担による安価でなされているし、其他種々の工作も行われ....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
は思いやしたが、江戸へ参って奉公をし、金を蓄め国へ帰って家を立てよう、命有っての物種だ、跡方は潰れてもそれまでと思いきり、国の家を出て江戸へめえりやしたが、頼る....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いう恐ろしい修羅場になっておりますから「これでは、どうも仕方がない。生命あっての物種だ。何もかも抛り出してしまえ」というので、父の兼松と政吉とは籠長持を投げ出し....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ら。諦めろッ」 参謀たる奥野後良、もう逃げ腰。 「や、それもそうだ。命あっての物種だ」と駒越左内も臆病風。 九兵衛は又|家の大事と。 「どうか少しも早く御立....
越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
う事のない危険山ですから、如何に高い給料を出して遣るからといっても、生命あっての物種、給料には易えられぬといって応ずる者がありません、しかし是非とも同山に三角測....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
ためには、即座に出発して漸《ようや》く間に会うくらいであったから」。生命あっての物種というどたん場に遭遇しては、遺骨強盗もへちまもあったものではなかった。実際、....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
様にして貯めたお金なんだよ、ぐず/″\して此処に居て殺されては大変だ、命有っての物種だと思い、貯めたお金を置いてッたんざいやしょうが、お気の毒だよ」 音「どれお....