物詣[語句情報] »
物詣
「物詣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物詣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
りを踊っている。一寸法師《いっすんぼうし》の話に出てくる鬼も一身の危険を顧みず、
物詣《ものもう》での姫君に見とれていたらしい。なるほど大江山《おおえやま》の酒顛....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
います。昨年の秋|鳥部寺《とりべでら》の賓頭盧《びんずる》の後《うしろ》の山に、
物詣《ものもう》でに来たらしい女房が一人、女《め》の童《わらわ》と一しょに殺され....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、あるじの一種の誇りとなって、客のあるごとに忠通は玉藻を給仕に召した。かりそめの
物詣でや遊山《ゆさん》にもかならず玉藻を供に連れて出た。忠通がこの頃ようやく華美....
「佐橋甚五郎」より 著者:森鴎外
遊芸が巧者で、ことに笛《ふえ》を上手《じょうず》に吹《ふ》いた。 ある時信康は
物詣《ものもう》でに往った帰りに、城下のはずれを通った。ちょうど春の初めで、水の....
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
らせまいとして、折り折り思い出したように弾力のある歩きつきをして見せる。近い道を
物詣《ものまい》りにでも歩くのなら、ふさわしくも見えそうな一群れであるが、笠《か....
「ほととぎす」より 著者:堀辰雄
けがただ一人ぎり頼りなく残されることを思うと気がかりでならなかった。数年このかた
物詣《ものもうで》などするにつけてもどうかもう一人ぐらい女の子でもお授け下さるよ....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
往っているのだ。どうもわかり難そうな所なので、つい伺わずにもいるが。――こちらの
物詣《ものもうで》は穢《けが》れが出来たので止めた」などど書いてある。こちらへも....
「源氏物語」より 著者:紫式部
てこれが自分のものになる工夫はないであろうかと無我夢中になっておしまいになった。
物詣でに行く前夜であるらしい、親の家というものもあるらしい、今ここでこの人を得な....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
多く伴のうている。昔名古屋の近くの村で、五つ六つばかりの男の子が、人に連れられて
物詣りに行く途中、頻りにこの鳥の啼く声を聴いて、一人で嬉しそうに笑っていた。どう....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
折が以前はきわめて少なかったのである。おみやげという言葉でもわかるように、本来は
物詣りの帰りに求めてくるのが主であって、したがってその種類も限られており、だいた....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
、何分各人の願い望みがまちまちであるために、今では名ばかりのこって、一年に一どの
物詣りにつき合うだけ、またはほうぼうから集まってくるのみで、あの人はいったいどん....