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物識り
「物識り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物識りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ると、たちまち内蔵助の忠義に対する、盛な歎賞の辞をならべはじめた。
「過日もさる
物識りから承りましたが、唐土《もろこし》の何とやら申す侍は、炭を呑んで唖《おし》....
「星座」より 著者:有島武郎
字すら忘れがちになるのに、そこのお嬢さんたちが裕《ゆた》かに勉強して、一日一日と
物識りになり、美しくなっていくのを、黙って見ていなければならぬ恨めしさ。七時過ぎ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《ふる》いものじゃあありません。いったい江戸の菊細工は――などと、あなた方の前で
物識りぶるわけではありませんが、文化九年の秋、巣鴨の染井の植木屋で菊人形を作り出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だから昔の人間は馬鹿にされる筈ですね。はははははは。われわれズウフラ仲間は今さら
物識り振っても仕方がない。やはり云い馴れた通りのズウフラでお話しますから、その積....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
べきところは、いつの間に造られ、一体どこをどう匍いまわっているのであるか、仮りに
物識りを誇る東京市民の一人を、そこに連れこんだとしても、決して言いあてることは出....
「○○獣」より 著者:海野十三
うでしょう」 「おお、蟹寺博士か。なるほど、そいつはいい思いつきだ。先生は非常な
物識りだから、きっとこの不思議をといて下さるだろう。ではすぐ博士に電話をかけて、....
「東京要塞」より 著者:海野十三
上っていた。 従ってわが東京における諸外国大使の動きも非常に活溌であって、或る
物識りの故老の言葉を借りると、欧洲大戦当時、ロンドンにおける外交戦の多彩活況も、....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
ち拡がった。二人は鯉に祟られたというのである。なにかの食物にあたったのであろうと
物識り顔に説明する者もあったが、世間一般は承知しなかった。かれらは鯉に執り殺され....
「虎」より 著者:岡本綺堂
俗にいう『無いもの喰おう』のたぐいで、まことに無理な注文だ。」 「しかしあなたは
物識りですから、何かめずらしいお話がありそうなもんですね。」 「おだてちゃあいけ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。だから、彼が来ることはいつでも歓迎された。そのうえ、彼は婦人たちにたいへんな
物識りとして尊敬されていた。なにしろ彼は数冊の書物を読んでいたし、コットン・マザ....
「明暗」より 著者:岡本かの子
。 「でも智さん、三木ちゃんには財産がどっさりあるものな、なまじっかお盲目さんの
物識りになんかさせないでね、ぼんやり長生きさせたいからな。何にも三木ちゃんは知ら....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
かせて、姫が非凡の才女であることを今更のように説明するとと共に、自分もまた一簾の
物識りであることを暗に説き誇った。 小坂部が奥へゆくと、今まで時々物狂わしゅう....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
の極めて狭かった当時の一般民衆の間にあっては、彼らはことごとく天が下の事を知るの
物識りであったのに相違ない。なお言わば、京都の市街が出来て後にこそ、また附近の平....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
柄をよくしたくなって来る。氏族を改良したくなって来る。系図の一つも附会しうる程の
物識りも富の為には買収される。その筋々への運動等も、金が物言う習いは昔も今も変り....
「天下一品」より 著者:小川未明
のことも、また書画の鑑定も、ちょっとした法律上のこともわかりましたので、村の中の
物識りということになっていました。しかし、その人は、あまりいい生活をしていません....