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物議
「物議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物議の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んしんと粉雪が舞うばかりで、いっこうに小さいのが姿を見せなかったものでしたから、
物議をかもさずにいられるわけはない! 「ちくしょうめ。やけにまた降りやがるな。雪....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
緒のたった、襲裏の上穿草履で、ばたばたと鳴らしたもので、それが全校に行われて一時
物議を起した。近頃静岡の流行は、衣裳も髪飾もこの夫人と、もう一人、――土地随一の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
い次第で、塀を高くして置かなければ、この異様な邸内の模様は容易に村人の眼に停り、
物議の的にならない筈はなかったから。 匍いだした大隅学士は、この異風景の中に、....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
二 私もせっかくそのほうがよいと思っていたのです。 僧一 同行衆の間にいろいろな
物議が起こってはおもしろくありませんからな。 僧二 口さがない世の人々はどのよう....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
とは誰しも想像しなかったろう。 「日本大家論集」という博文館の最初の試みの雑誌が
物議を生じた。其結果、出版法だか新聞雑誌条例だかの一部が修正された。博文館は少く....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
一二を、掛売で談ずるだけの、余裕があっていう事です。 このありさまは、ちょっと
物議になりました。主人の留守で。二階から覗いた投機家が、容易ならぬ沙汰をしたんで....
「転機」より 著者:伊藤野枝
流れ込んで、沿岸の土地に非常な被害を及ぼした事がある。それが問題となって、長い間
物議の種になっていたが、政府の仲介で鉱業主と被害民の間に妥協が成立して、ひとまず....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
) 14 検閲下の思想と風俗 映画検閲が厳重になったことは最近社会の各方面で
物議をかもしている。内務省では警保局長警務課長以下が協議した結果、大体次のような....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
て行なわれたように見えるかも知れないが、そして実際現在でも主に洋画関係では大いに
物議をかもしているのではあるが、併し或る意味に於て、帝国美術院乃至帝展(更に一般....
「阿英」より 著者:田中貢太郎
めた。玉は心で弟が佳い婦人を得たことを喜んだが、しかし、軽卒なことをしては世間の
物議を招く恐れがあるので、それについては心配もしていた。 阿英は矜み深くて、身....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
る審査員達は「濫授」「濫造」の声に対して敏感ならざるを得ないのである。授与過剰の
物議よりは、まだしも授与過少の不平の方が耳触わりの痛さにおいて多少の差等があるの....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
自然現象の科学的予報については、学者と世俗との間に意志の疎通を欠くため、往々に種々の
物議を醸す事あり。また個々の場合における予報の可能の程度等に関しては、学者自身の....
「机と布団と女」より 著者:坂口安吾
には新風だが、山奥では当りまえなのかも知れない。然し、そんな山奥まで、この写真が
物議をかもしているようでは、私もいさゝかてれざるを得ない。....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
功によって醜く剥がしたくないからである。翁はその骨董の買入について商人中もっとも
物議の多い評判の人ではあるが、とにもかくにも好者は好者であり、かつもっとも優れた....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
○二月、大阪梅田の劇場に団十郎乗込み、二興行の給料五万円は余りに法外なりという
物議を醸す。 ○三月二十三日、本郷区春木町一丁目より出火して、春木座類焼。 ○九....