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「物質的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物質的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
、この三者から発している。同時にまたおそらくはあらゆる徳も。 ×物質的欲望を減ずることは必ずしも平和をもたらさない。我々は平和を得るためには精神....
少年」より 著者:芥川竜之介
刺身《さしみ》を見守っていた。すると微醺《びくん》を帯びた父は彼の芸術的感興をも物質的欲望と解釈したのであろう。象牙《ぞうげ》の箸《はし》をとり上げたと思うと、....
或る女」より 著者:有島武郎
っせせっせと世話女房らしく切り回す事に興味をつないでみた。しかし心の底の恐ろしく物質的な葉子にどうしてこんな辛抱がいつまでも続こうぞ。結婚前までは葉子のほうから....
想片」より 著者:有島武郎
じている。この本能が環境の不調和によって伸びきらない時、すなわちこの本能の欲求が物質的換算法によって取り扱われようとする時、そこにいわゆる社会問題なるものが生じ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の先入|僻見を以て愛の働き方を見ている証拠にはならないだろうか。二つの言葉の中、物質的な聯想の附帯する言葉を己れへの場合に用い、精神的な聯想を起す言葉を他への場....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、ここでは世界は六つの時期に区切られて出発したことになっている。物質が何らかの非物質的なものから、ある意志の作用、ある命令、またはある観念によって生成し得るもの....
三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
ての親であるその慈悲深い人を支部長に仕立てて、その人の推薦に従って毎日一人ずつ、物質的には兎も角、親のない淋しい三十歳以下の婦人で東京へ旅行したい人達を、三の字....
大脳手術」より 著者:海野十三
ここではっきりいって置くぞ。天から授かった神聖な躯を売却していいと思うか。それも物質的欲望のために売却するなんて、猛烈に汚いことだ。万一君がそんなことをすれば、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
罪は罪を孕み、容易にその根絶を期し難いからである。悪徳はただ民族全体の道徳的並に物質的の発達と、高尚な知識の普及と、又真の意義ある教育の進歩とによりてのみ、次第....
活動写真」より 著者:淡島寒月
もそもこの「空蝉」というのは、原名をウイザウト・エ・ソールといい、精神的に滅んで物質的に生きたというのが主眼で、この点に私が感興を持ち共鳴を持って見たのであった....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
ろ人の心に余裕を見出すことができなくなつたのが私には何よりも悲しい。それはどんな物質的欠乏よりも惨めだ。心の余裕は物質の窮迫を克服する力を持つている。逆境のどん....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
た。そうしてその女が毎日俺たちの画室に来てモデルになってくれた。俺たちのような、物質的には無能力に近いグループのために尽くしてくれるその女の志は美しいものだった....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
後にはたしかにあざやかにたどってゆける二種の系統があると思う。一つの思想の系統は物質的、経済的、客観的、実際的、しかして功利的というような系統である、ジェームス....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
考えて、スペンサーでさえもけっして徹底的な唯物主義者ではない。それに進化論はただ物質的方面の進化のみをもって満足すべきではない。精神的進化という方面を考えなけれ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
が、いずれも『浮雲』の惰力的労作であるは争われなかった。『浮雲』以後の精神的及び物質的苦悶に富んだ二葉亭の半世の生活からは最少し徹底した近代的悲痛が現れなければ....