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「物騒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物騒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
たように、実際生きていないのであろうか? そう云えば彼女が住んでいた町も、当時は物騒な最中だった。男はお蓮のいる家《うち》へ、不相変《あいかわらず》通って来る途....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
戸が残ってあった頃で、この時分までは木戸を閉さなかったのが、戦争の前後は世の中が物騒なので、町々の木戸を閉したのでしたが、木戸番は番太郎といって木戸傍の小屋で、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
二人さ、あとは巻莨だからね。」 「何しろ真田の郎党が秘し持った張抜の短銃と来て、物騒だ。」 「こんなものを物騒がって、一雪を細君に……しっかりおしよ。月村はね、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の、小芳と云うものの妹分で、綱次と聞えた流行妓である。 「大層な要害だな。」 「物騒ですもの。」 「ちっとは貯蓄ったか。」 と粗雑に廊下へ上る。先生に従うて、....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
いう野心は無さそうに見えたのに―― お供の、奴の腰巾着然とした件の革鞄の方が、物騒でならないのであった。 果せるかな。 小春|凪のほかほかとした可い日和の....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
いて燥いで、煤の引火奴に礫が飛ぶと、そのままチリチリと火の粉になって燃出しそうな物騒さ。下町、山の手、昼夜の火沙汰で、時の鐘ほどジャンジャンと打つける、そこもか....
三枚続」より 著者:泉鏡花
る次第でない。火事だ、火事だと駆け廻って、いや火の玉のような奴、かえってその方が物騒じゃ、家内の者注意怠るな、一同の者、きっと叱り置くぞ、早々引取りませい、とお....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
を追駈けて逢いに来たわ、それ蕎麦だ……などと申すわけで、そうでもないのに、何かと物騒、は、は、は。」 両三度、津山の笑いは、ここで笑うのにあらかじめ用意をした....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
しき入道雲|湧き、地に水論の修羅の巷の流れたように聞えるけれど、決して、そんな、物騒な沙汰ではない。 かかる折から、地方巡業の新劇団、女優を主とした帝都の有名....
星女郎」より 著者:泉鏡花
のがたった一軒。 いずれ、山※であろう。焼残った一軒も、そのままにしておいては物騒じゃに因って、上段の床の間へ御仏像でも据えたなら、構は大い。そのまま題にして....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
士、博士、何某なる人物とも、ぜひ一度は遇って、あの差し紙を撤回してもらわなければ物騒で、一日として安心してはいられないからでもあった。 ところで、几帳面に、雪....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
の角とか椅子の角とかがそうだが、一番多い例は鉄の炉囲灰除である。ついでながらこの物騒な物は『クルックド・マン』に見られたシャーロック・ホームズの冒険の昔から他殺....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
って一休みしているんだ」 と、貫一は出鱈目をいった。 「そうですかい。この辺は物騒ですから、気をおつけなさい」 「お前さんは物騒でないのかい」 と貫一は、ち....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
何でも彼でも、それを突きとめて、課長の賞讃にあずかりたいものと考えた。 そんな物騒な話が我が身の上に懸けられているとも知らぬ覆面探偵青竜王は、竜宮劇場屋上の捕....
空襲警報」より 著者:海野十三
義兄さん、お出かけですか」 「ウン旗男君。これはひょっとすると、今夜あたりから、物騒なことになるかも知れんぞ」 「物騒って、これ以上に物騒というと……アーもしや....