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物騒がしい
「物騒がしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物騒がしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
すぐのように、じきあそこの門を出た往来先で、不意になにやら格闘をでも始めたような
物騒がしい叫び声が上りましたゆえ、不審に存じまして見調べに参りましたら、七八人の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る朝は七草|粥を祝って、半七は出がけに八丁堀同心の宅へ顔を出すと、世間がこのごろ
物騒がしいに就いて火付盗賊改めが一層厳重になった、その積りで精々御用を勤めろとい....
「青年」より 著者:森鴎外
のを感じた。丁度酒の酔が循って来るようであった。 公園の入口まで来て、何となく
物騒がしい広小路の夕暮を見渡していたとき、己は熱を病んでいるように、気が遠くなっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちどまりました。 「御同役、何かこの邸内で変事がござったようじゃ」 「左様、何か
物騒がしい」 市中取締りが、この時分には町奉行の手だけでおさまりのつかなかった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
います、静かになればなるほど、夜の景色が何とも言われません」
「でも、なんとなく
物騒がしい晩だ」
「いいえ、やっぱり静かな晩でございますわ」
「そうかなあ」
....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だと思いました。 七十一 武州沢井の机の家が、このごろ、急に
物騒がしい空気に駆《か》られたように見えます。 別に凶事があって、騒がしいとい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ります」 行先までをはっきりと名乗りました。 「長浜へ、長浜の町では、今晩何か
物騒がしいようです」 「はいはい、陣触れがございます」 「陣触れが」 「はい、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「先刻から、湖南湖北の巷《ちまた》の風説に聞きますと、この沿岸の村々がことのほか
物騒がしいそうでございます、一味ととうと申すのが、あちらにも、こちらにも、動揺の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いところへ出しゃばるのですか」 「琵琶湖の舟遊びに行った帰り途、つい何だかここが
物騒がしいから、のぞいて見る気になったのだよ」 竜之助も人を食った返答なのです....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のを模していたのです。それが真に迫ったから、かれらの夜のねぐらを驚かして、海上を
物騒がしいものにし、そうして、ここまでおびき寄せられて来たものに相違ない。これは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、今の岡っ引のことを思い返しました。 岡っ引の言うことには、仙台城下が今日は
物騒がしいから用心しておいでなさいと。 それよりさき、純粋の奥州語をもって、飯....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せ申して済みませんだかわからない。 なお、その番頭さんの言うことには、表街道が
物騒がしいようだから、裏街道を通るつもりでしたけれども、こうして、兄さんにここで....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
は日夜、大江山の酒顛童子《しゅてんどうじ》がひっ越して来たような、割れるがごとき
物騒がしい生活。
早く文句をつけてくれ、そうしたら一喧嘩してやる……と言わぬば....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
石川房之丞が高原の屋敷の門前に坐っていたというのは、門番の報告である。門前が何か
物騒がしいように思ったので、彼は窓から表を覗くと、一人の侍が傘をなげ捨てて刀をぬ....
「三国志」より 著者:吉川英治
を守れと命じた。 「心得ました」 父子は、呂布の前をさがると、城中人馬の用意に
物騒がしい中を、いつも密談の場所としてある真っ暗な一室にかくれて、ささやき合って....