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牴
「牴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
た》いた。 しばらくして勝子から 「しょうせんかく」といい出した。 「朝鮮閣」
牴牾《もどか》しいのはこっちだ、といったふうに寸分違わないように似せてゆく。それ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
つも特許されていてたとえ自分の工夫の方がずっと進んでいるにしても、既許のものとの
牴触《ていしょく》を避けるため、かなり模様を変えねばならなくなった。その上こうい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
でも見ているかな。」
「どうぞその後を、それから。」と聞く身には他事をいううちが
牴牾《もどか》しく、膠《にべ》もなく続きを促《うなが》した。
「さて、夜も更《ふ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
分の気持を婉曲に表現することもできず、品よく凭れかかる術も知らないだけに、一層|
牴牾しさを感ずるのだった。 「晴さん、貴女伊ーさんに岡惚れしてるんだろう。」 ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
六|櫛を挿した仇な姿を、まざまざ目に浮かべながら、ちょっと見当もつきかねるのが、
牴かしくも歯痒くもあったが、この少女をそれ以上苦しめることは無駄であった。葉子が....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
屋の建築とはわけがちがう。家屋の建築は設計者の気随になる。必要な建築学上の規則に
牴触しない限りはあらゆる好きな格好のものを設計してもよいはずである。しかるに科学....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
抑圧することはできないものである。それで一見したところでは毫《ごう》もこの規約に
牴触《ていしょく》しない――少なくも論理的には
牴触しないような立派な付け句であっ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
ェルズの揚げ足をとるつもりでもなんでもない、ただ現在の科学のかなり根本的な事実と
牴触《ていしょく》するような空想と、そうでない空想との区別だけははっきりつけてお....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
や批判力という広義の本来的な文化要素の強調なのではなくて、却って之と相当の程度に
牴触せざるを得ない「道徳」の強調に帰していることが、重大特色である。ファシストの....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
身売買としての貞操の取引きであらざるを得ないから、依然として社会人の道義的感触に
牴触する。こうしたものを一まとめにして、それが東北凶作飢饉の現象と結び付いたもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだから、たかが生きた犬の皮剥ぎを実地に御覧になるということも、そんなに良心には
牴触《ていしょく》しないで、かえって残忍性の快楽をそそるくらいのものでありました....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
あるようである。日本の自然にある犯すべからざる定まった色彩が固有していて、それに
牴触しては忽ちその作品の〔“RAISON D'E^TRE”〕(存在理由)がなくな....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
憾なく実写せられたり。この極端なる画風は俳優を理想的の美貌と定めたる伝来の感情に
牴触《ていしょく》する事|甚《はなはだ》しきがためこの稀有《けう》なる美術家をし....
「妾宅」より 著者:永井荷風
んなに心配せずとも或種類の芸術に至っては決して二宮尊徳《にのみやそんとく》の教と
牴触《ていしょく》しないで済むものが許多《いくら》もある。日本の御老人連は英吉利....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
あなたは断えず検束のない網の中へ
お駆け込みなすって、
民俗や国法に
無謀にも御
牴触なさいました。
それでもおしまいには極高尚な御思案が、
清浄な勇気に重きを置....