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「特例〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

特例の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
頭脳が透明であるのに母国語で書いた文章が晦渋をきわめているという場合は、よほどな特例であろうと思われるのである。 反対に「乙某の論文は内容は平凡でも文章がうま....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
カルポロジーの本を読んだときに、乾燥すると子房がはじけて種子をはじき飛ばすものの特例の一つとして Impatiens noli-tangere というものが引き....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
だからこれは当然である。しかし感情的でない泣き方もいろいろあるのであって、その一特例としては、疲れたときにあくびをすると涙が出る。あくびをするときのわれわれの顔....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ために平家造りか、せいぜい二階建てが限度となったものであろう。五重の塔のごときは特例であるが、あれの建築に示された古人の工学的才能は現代学者の驚嘆するところであ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しょうあにしゅ》あらんやというは、それは歴史上を均《なら》して、幾千億万分の一の特例であって、標準とすべくもありません。百姓の子は百姓になり、大工の子は大工にな....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
漁師町では俗世の名士や富豪は問題としないけれども、単純に人間族だけで構成されて、特例がないかと云えば、そうでもない。 この漁師町の方言では、偉い、ということを....
諦めている子供たち」より 著者:坂口安吾
自分をわざとわるくいやらしく表現して笑わせてよろこぶ気風である。 新潟市だけの特例だが、冬になると「湯づけ」というものをたべる。冷飯を湯でさッと煮てタクアンぐ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のヒラキは次第に大きくなりはしたが、大阪のジャンジャン横丁界隈の如きものは天下の特例であろう。もっとも、病気を貰えば、けっこう高くつくか。しかし、いかな私もここ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ブベボ」は一度も使用せられず、また「パピプペポ」もピが「トッピャッピ」に一度だけ特例的に使われているにすぎない。つまり唇音の全部が使用されていないと見てよろしい....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
る人間の死に関する以上の如き見解を改めることを許さないのである。そして私が二つの特例を動植物界から引用した主たる理由は、ある部分的の改良が行われ、またこの改良の....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
なるといっていい。 この二川は、表日本の異例であろうか。 黒部川は、裏日本の特例である。断層によってできた飛騨山脈の割れ目を、北へ流れる黒部川は雪が深いうえ....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
も、相当の収益を挙げることのできるものも少なくはないのであります。もっともこれは特例ではございましょうが、この地方では決して珍しいものではない、かの「たらの木の....
法然行伝」より 著者:中里介山
非ないことであるが、法然が特に召されてこの席に列《つらな》るということは非常なる特例である。ただその席に列ることでさえが非常なる特例であるが、この一座の上に立っ....
特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
には富豪の家あり、平民へ金銭を貸付くるものもあるなり」とある。この遠州のはむしろ特例で、後までもその佳良なる生活状態を継続しえたものであるが、大体古代エタの人口....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
郷土研究』三巻七七頁)と言われているような例もないではない。しかしこれらはむしろ特例であって、多くの場合には彼らはあまり世間から区別せられていなかったがために、....