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特効薬
「特効薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特効薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
とそれは青物を売りに来る女があって、その女といろいろ話をしているうちにその肺病の
特効薬の話をその女がはじめたというのだった。その女には肺病の弟があってそれが死ん....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
卜伝は話しかけた。「薬はないのか、癩を癒す薬は」 「さあ」と蔵人は渋面を作り、「
特効薬は目付からない。大黄、※莢、白牽子、鬱金、黄蓮、呉茱の六種、細抹にして早旦....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。
御気分はいかが? 私の病気がうつらないように。肺炎が大流行です。そのための
特効薬がないので死亡率は高うございます。私はチフスと肺炎では死んでいられないと思....
「女と帽子」より 著者:豊島与志雄
ありませんか。堀ノ内のお祖師様にだけある妙法丸とかいうもので、あらゆる腹痛にきく
特効薬で、副作用は絶対になく、自分の家では祖母の代から実験ずみだとかなんとか……....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ころへ持っていこうという魂胆ではないけれども、彼の心にケイレンが起きたとすると、
特効薬は長平のところへなんとなく泣きに行きたくなることである。 しかし、彼が京....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
正体は判然としていやしない。ゼンソク持ちはタクサンいるが、その正体も判然とせず、
特効薬も未だしである。肝臓の機能は? 脳味噌の機能は? それも判然とはしない。貧....
「笑について」より 著者:岸田国士
でも虚栄心の虜になつた瞬間を見ますと、実に滑稽なものです。全くのところ、虚栄心の
特効薬は笑い以外にないと思います。「本質的に笑うべき人間の欠点は虚栄心だ」と、ベ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
いられなくなったから、しからばというので、犬になめさせた。 なぜなら、破傷風の
特効薬は洋の東西を問わず犬の唾液から製する。目下それ以外に製法がないということを....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
業病《ごうびょう》にかかり妹の曾恵子《そえこ》を熱愛していた義弟勇三郎がその病の
特効薬だときいて、他人の尻肉を斬《き》りとったりしたのち、死刑になった事件を引き....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
」 「――へえ?」 驚いた顔へぐっと寄って来て、 「――それもあんた、自家製の
特効薬でしてね。わたしが調整してるんですよ」 「――そいつア、また。……ものによ....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
結核初感染患者みたいな人間が非常に多く、そして結核初感染患者というものは売薬の「
特効薬」を盛んに買いこむ傾向を持っているものであり、だから宮本の作品が盛んに迎え....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
を僕は見つけたのだ。それは日本人が持っておるのだ、日本人のあの真面目ということが
特効薬だ。全日本を排斥してもよいが、あの薬だけは買わなくてはならんのだよ」 とい....