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特技
「特技〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特技の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「わが町」より 著者:織田作之助
に絶えず仕事が一定しているわけではなく、その間生活の安定を得るためには、これらの
特技のうち二つ乃至三つの種類に馴れる必要があるが……、 「自慢するようやけど、僕....
「断層顔」より 著者:海野十三
か」 物にさっぱり動じない老探偵ではあったが、彼の甥だけは老探偵の目をむかせる
特技を持っていた。――帆村は目を大きくむいて失笑した。 「惚れているとは……よく....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
の中から心臓を掏り盗る技術も持っているし、一夜のうちに時計台を攫っていってしまう
特技もある怪賊烏啼にとって、天下に困ることは一つもない筈だったが、こんどというこ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
う」 と鳴海は皮肉をいう。私はそれに構わず言った。 「もはや現代の医術は天才的
特技ではなくなった。それは普遍性ある機械的技術となり、機械力によりさえすれば誰に....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
に来た金博士の若いお手伝いの鉛華をルス嬢が勘のいいところで発見、そこへベラントが
特技を注ぎ込んで、たちまち鉛華をおのれたちの薬籠中のものとしてしまったからである....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
私よりもはるかに偉いものだと思っていた。ヤス子には、あゝいう水際立った目ざましい
特技はないが、そのあたりまえさ、あたりまえの高さ、凜々しさ、それは私の心をやすら....
「釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
天狗になるものらしい。三好達治はドブ釣りをやるんだと云って、ドブ釣り自体が名人の
特技のようなことを言って力んでいたが、実際はてんで釣れなかったのである。鮎が小さ....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
である。 彼は含宙軒博士となり、含宙軒先生となり、含宙軒探偵となり、変装自在の
特技者であるが、彼自身は本業を俳優と云い、文章のたぐいは副業であると称している。....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、甘いというか、悲劇的な頭の悪さであろう。人のフンドシで相撲をとるのは日本古来の
特技でもあった。戦国時代の興亡は主として人のフンドシを当にして行われ、昭和の軍部....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
きない消防手の最先端へとびだして、たった一人火の手にあおられながら見物するという
特技に長じており、何百人のお巡りさんが非常線をはっても、この忍術をふせぐことはで....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
ダテや酔狂(ヤジウマ根性ということ)で観戦記をかいているわけではなく、腕に覚えの
特技によって心眼するどく秘奥を説く人々である。観戦士というべし。私のは、ハッキリ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ている、藤兵衛という皮肉な男が、口上を述べているからであった。 この藤兵衛には
特技があった。彼のお喋舌りを聞こうとして、集まって来る人達の中に、知名の人や名士....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
が捕えられて出所したところで、手に職があるわけではなし、財産があるでなし、詐欺の
特技を封じられれば、楽しい生活はできやしない。人間は現在にてらして未来を考えるの....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
に速く走るということが重大な要件とはなっておらん。もッと複雑な智脳や訓練を要する
特技によって素質の良し悪しが定まるもので、速く走るということはその犬の素質として....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
や王族でした。元来はそういうものです。 人間を知り、人性を知ることは元来貴族の
特技だったものです。 華頂、閑院両氏の良識と愛と勇気は見上げたものです。私など....