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特権
「特権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
す。なぜと言ってごらんなさい。僕らはただ河童《かっぱ》ではない、人間であるという
特権のために働かずに食っていられるのです。現にバッグの話によれば、ある若い道路|....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
だつ》たる大都市が十年にして達しえた水準へ五年にして達しうるのが後進たる小都市の
特権である。東京市民が現に腐心しつつあるものは、しばしば外国の旅客に嗤笑《ししょ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に思っている。
椎の葉
完全に幸福になり得るのは白痴にのみ与えられた
特権である。如何なる楽天主義者にもせよ、笑顔に終始することの出来るものではない。....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、どうしても実業界に行かなければうそだ。擲身《てきしん》報国は官吏たるものの一
特権だが、木村さんのようなまじめな信者にしこたま金を造ってもらわんじゃ、神の道を....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
た。食いたい食物は何んでも食う事が出来た。私たちは偶然な社会組織の結果からこんな
特権ならざる
特権を享楽した。お前たちの或るものはかすかながらU氏一家の模様を覚え....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
ら、私が前述した意味の労働者は、従来学者もしくは思想家に自分たちを支配すべきある
特権を許していた。学者もしくは思想家の学説なり思想なりが労働者の運命を向上的方向....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
ての青年の権利たる教育がその一部分――富有《ふゆう》なる父兄をもった一部分だけの
特権となり、さらにそれが無法なる試験制度のためにさらにまた約三分の一だけに限られ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
な観察者鑑賞者となって、両極の持味を髣髴して死のう。 人間として持ち得る最大な
特権はこの外にはない。この
特権を捨てて、そのあとに残されるものは、捨てるにさえ値....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ピラミッドの計量/支那人の宇宙観/道教/列子の見方/孔子の教え ※ 泰西の科学は
特権僧侶階級の私有物/ギリシアの自然哲学者たち/タレース、アナキシメネス、アナキ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を正しく働かして、科学的考察の及ばぬ秘密に突入し得るのは、天から人類に与えられた
特権である。人もし宇宙の霊妙な力を否定するならば、それは天御中主神の否定であり、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
奴隷として残るのである。 記せよ、真理は決してある特殊の人間、ある特殊の宗教の
特権でも何でもない。真理は古代ローマに於て、鋭意肉の解放を企求した、アテノドーラ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
だ、とか何んとか。(間)それはまあどうでも可いが、とにかくおれは今後無責任を君の
特権として認めて置く。特待生だよ。 A 許してくれ。おれは何よりもその特待生が嫌....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
るかを知らないで投票している。その結果、彼らは自分たちとはまつたく利害の相反した
特権階級の御用議員どもを多数に議会へ送り込み、いつまでも国民大衆の不幸を長続きさ....
「米」より 著者:犬田卯
でれ助親父。」 おせきは遠くの田圃にいる人々が首をもたげたほどの声で、家付娘の
特権を振りまわした。 「ばか阿女、いくらでも哮えろ」と浩平は気圧され気味で、にっ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
卒業者は中学校に転校の制度はなかったのである。即ち中学校以上の卒業者は自他ともに
特権階級としていたので、悪く言えば高慢、良く言えば剛健、自ら指導者たるべき鍛錬に....