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特権階級
「特権階級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特権階級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「接吻を盗む女の話」より 著者:佐左木俊郎
他に築きながら、共同生活の一員として済ましていることの許されているのは、或る国の
特権階級だけではないか。 「あなた! 今日は、お出掛けにならないんですの!」 「....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
る。もしいつまでも親の脛を噛って学問や勉強を続けて行けるということが社会の一種の
特権階級の特権であるが故に徴兵上も亦そうした特権が必要だというなら、夫は由々しき....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ある。一は特待と言うが、一は何と言うのかたぶん名はないと思う。特待になると純粋の
特権階級で、一枚の布団が二枚になり、朝一回の運動が午前と午後との二回になり、さら....
「読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
愚昧ならしめるために学芸が最も狭き堂宇に閉鎖されたことがあった。今や知識と美とを
特権階級の独占より奪い返すことはつねに進取的なる民衆の切実なる要求である。岩波文....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
考へてゐる。ところが五名の女給は一丸となり、店側の忠実なる鬼の相を露呈して、自ら
特権階級を僭称する倉田を軽蔑してはゞからぬ如くである。 オヤヂが金々々と凝りか....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
見てきても渋い顔をする母が私の願いを許したのは、ゴルフとは華族とか大金満家とか、
特権階級というものの遊びで貧乏人の寄りつけないものだと人の話にきいて知っていたか....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
拒んで英雄的に帰還するのも、見上げたフルマイだとは思われない。 彼らは戦争中は
特権階級で、国民や兵隊の犠牲に於て、下部の批判を絶した世界で、傲然と服従を要求し....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
的男女関係はザラであった。万人には最低の生活が配給されていたが、軍人や会社上司の
特権階級は、今日との物資の比例に於ては同じように最高級の酒池肉林であったことに変....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
るかを知らないで投票している。その結果、彼らは自分たちとはまつたく利害の相反した
特権階級の御用議員どもを多数に議会へ送り込み、いつまでも国民大衆の不幸を長続きさ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
牛に生れ変って四年間働いて、どうやら成仏させてもらったそうだ。平安朝の昔は坊主も
特権階級だった。百姓の両腕をもいでお寺へ持って帰っても、両腕が毎日野良をたがやす....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
の食糧難のころ、私はこの相撲とりのおかげでうまい物が食えた。なぜなら彼は驚くべき
特権階級だったからである。 戦争中に廃業したのだが、奴め終戦後も五年間ぐらいチ....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
間のハンニバルが出て、国力を恢復しようとした。しかし、ハンニバルは、貴族、富豪、
特権階級の集まりであるところの、最高政治機関の元老院、及びそれに追随するある衆愚....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
のために働き、誠実に生きるということを忘れて、功利的に考え易いからです。徒らに、
特権階級に媚びる文学は、小説といわず、少年少女の教育に役立つ読物といわず、またこ....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
会が果さんとする目的は創立当時と少しも異なるところがない。即ち科学や哲学が一部の
特権階級に属する学者たちの為のみならず、一般大衆にもっと密接な関係を保ち、各自の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
卒業者は中学校に転校の制度はなかったのである。即ち中学校以上の卒業者は自他ともに
特権階級としていたので、悪く言えば高慢、良く言えば剛健、自ら指導者たるべき鍛錬に....