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特異
「特異〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特異の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
母が昔の女の道徳に囚《とらわ》れないで、真の性質のままで進んでいったならば、必ず
特異な性格となって世の中に現われたろうと思う。
母の芸術上の趣味は、自分でも短....
「片信」より 著者:有島武郎
単に相異なった二階級間の反目的意識に止まらず、かかる傾向を生じた根柢に、各階級に
特異な動向が働いているのを認め、そしてその動向は永年にわたる生活と習慣とが馴致《....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てしまうだろう。世の中を見渡すと、何百万、何千万の人々が、こんな生活にその天授の
特異な力を踏みしだかれて、むなしく墳墓の草となってしまったろう。それは全く悲しい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いる、そのために遊星系の中心に位しなければならないというその説もまた彼の考え方に
特異な点である。しかし、コペルニクス系が、既に当時でも、ティコ・ブラーヘのそれに....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
は、それを嗅ぎわける、鋭い鼻のようなものです。常人には、嗅いでもわからないのに、
特異性をもった紅子のような霊媒を使うと、わかるんです」 「帆村君は、それで、何を....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
いうほどのものではありませんが、この死者の身体を見ますと、普通の人には見られない
特異性があるように思うんです。例えば、中毒症といったようなものがです」 「そうで....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
アルモノ。 とある。 冗談じゃない。この説明にあるような柱時計は、すぐ一目で
特異性を看破し得らるるような、どこにもここにもあるという物品ではないというわけで....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。たしなみの楽の故に歌口をしめすのが、つい癖になって出たのである。且つその不断の
特異な好みは、歯を染めているので分る。女は気味が悪かろうが、そんなことは一向構わ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
姫が通信者、T女が受信者、そして私が筆録者、総計三|人がかりで出来上った、一|種
特異の作品、所謂霊界通信なのであります。現在欧米の出版界には、斯う言った作品が無....
「「汐くみ」の画に就いて」より 著者:上村松園
旧来の美人画は、画の批評家達はその芸術価値についていろいろ申されますが、私はこの
特異の純日本風美人画を亡ぼすことが心に忍びません。もちろん時代の趨勢でございます....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
作家を容型しているものならばたとえ似交った多くの美人画の中にも厳然と相|容れざる
特異な相が現われていなければなりません。いったい現代では「女絵かき」が一種の流行....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たのもまた椿岳独特の工風であった。この小房の縁に踞して前栽に対する時は誰でも一種
特異の気分が湧く。就中椿岳が常住起居した四畳半の壁に嵌込んだ化粧窓は蛙股の古材を....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
て居るようでありながら、それが常識を逸して居らず、妥当性を失って居ないのは、彼の
特異な体質と感性とに基づいての観察を飾りなしに極めて自然に表白して居るためであろ....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
々が銘々の仕事を独力でやって行くのに或る促進を受ける。これは確かに北海道の住民の
特異な気質となって現われているようだ。若しあすこの土地に人為上にもっと自由が許さ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
外交は武力を背景として行なわれる。 この国家間の争いの徹底が戦争である。戦争の
特異さは武力をも直接に使用する事である。すなわち戦争を定義したならば「戦争とは武....