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特異性
「特異性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特異性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
彼の精神状態はいかに逆上しているときでも、全部は朦朧としてしまわないという点で、
特異性があった。頑固な牧師のようにひそかに抱いているある種の嫌悪は、その時も敏感....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
力の影響――つまり、彼の言うところでは、先祖からの屋敷の単なる形態と実質とのある
特異性が、長いあいだの放任によって彼の心に及ぼした影響――灰色の壁と塔とそれらの....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ワンサ・ガールに過ぎなかった。殺人がなかったことと、それとが、今度の事件の二つの
特異性だったとでも、こじつけ迷説を掲げて置くかね。はっはっは」....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
は、それを嗅ぎわける、鋭い鼻のようなものです。常人には、嗅いでもわからないのに、
特異性をもった紅子のような霊媒を使うと、わかるんです」 「帆村君は、それで、何を....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
いうほどのものではありませんが、この死者の身体を見ますと、普通の人には見られない
特異性があるように思うんです。例えば、中毒症といったようなものがです」 「そうで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
めて事務的に彼の知見を述べた。
「無論吸収の早い毒物はあるにゃあるがね。それに、
特異性のある人間だと、中毒量はるか以下のストリキニーネでも、屈筋震顫症や間歇強直....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
きうきの驚喜――はたやすく想像できよう。 しかしこの出来事のもっとも戦慄すべき
特異性は、ステープルトン氏自身が言っていることのなかにあるのである。彼は、どんな....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
アルモノ。 とある。 冗談じゃない。この説明にあるような柱時計は、すぐ一目で
特異性を看破し得らるるような、どこにもここにもあるという物品ではないというわけで....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
ぜられる。私は、心理の共感性作用を基調にするこの歴史上の芸術の証明により、自分の
特異性に普遍性を見出して、ほぼ生きるに堪えると心を決した。 ――人は悩ましくとも芸術によって救われよう――と。....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
に、更に、コポオの教えに従って、極めて忠実に丹念に、各種の人間的典型を研究しその
特異性を鋭敏につかむための観察を怠らないということです。 コポオは、一座の俳優....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ャングルを深更ちかいころ訪問してオカマの群れにはよそながら拝接した。概して彼らの
特異性は視覚よりも聴覚にくるものがグロテスクで、一見して男と分らなくとも、声をき....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
にだけ各社の注文が集中することになる。林さんの死はそういう小資本出版という日本の
特異性の犠牲であった。ただし、「大ゲサに云えば」と特に平林さんはつけ加えることも....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
見され、室内から南京虫が腐るほど現れてきた。そのために、陳の邸内で拾った南京虫の
特異性というものがにわかに薄れてしまって、犯人の歩いたところに南京虫が一ツ二ツ落....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
。世の中には、まだこれほどの知識があるのだ。この多い知識のなかには、自分のような
特異性を持った性癖の人間をも導くに足りる知識が無いとも限らない。世の中に神秘の力....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
ゞちに信ずるという風があります。けれど、それが自分達のものとなるには、それに伴う
特異性のあることも考えなければならない。そうした認識と批判とを没しさせる、最大な....