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特筆大書
「特筆大書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特筆大書の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎」より 著者:太宰治
か、と思案にくれて、いや、そうで無いと打ち消してみても、さて、自分に自信をつける
特筆大書の想念が浮ばぬ。確乎《かっこ》たる言葉が無いのだ。のどまで出かかっている....
「風の便り」より 著者:太宰治
こさず読んでまいりました。あれから二十年、あなたは、いまでは明治大正の文学史に、
特筆大書されているくらいの大作家になってしまいました。絢爛《けんらん》の才能とか....
「さようなら」より 著者:田中英光
抱き得る、例の生者には不可解な分裂症患者に似た者のひとりの実感は自明の理、殊更、
特筆大書する必要はなかったのである。 他の精神病は全て、常人の異常さを量的に多....
「生きている腸」より 著者:海野十三
動いているかとおもうと、まったく夢のような気がするのであった。 しかしもう一つ
特筆大書しなければならないことは、こうして彼の手によって大気中に飼育せしめられつ....
「蠅男」より 著者:海野十三
蠅男と、彼帆村とは、きょうはじめて口を利きあった。それは電話でのことであったが、
特筆大書すべき出来ごとだった。 糸子をかえしてよこして、彼に探偵を断念しろとい....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
って、できるだけ大きな口を開けて、できるだけ大きな声で歌った。 そして、これは
特筆大書しなければならんことだが、僕はこの先生にだけはただの一度も叱られたことが....
「分配」より 著者:島崎藤村
あるものを思い切った安い定価で予約応募者にわかとうというのであった。私たちはその
特筆大書した定価の文字を新聞紙上の広告欄にも、書籍小売店の軒先にも、市中を練り歩....
「惜別」より 著者:太宰治
かにも平凡な発見のようではあるが、しかし、私はこの貧しい手記の中に最も力をこめて
特筆大書して置きたいような、何だか、そんな気がしてならないのである。日露戦争に於....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
《いちめい》を失ったものらしい。 臼井は今も行方が知れない。 それから最後に
特筆大書《とくひつたいしょ》しておくべきは、田鍋課長が目賀野を証人として、烏啼に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
れば、おれんじ色の照明にウォルツの流れる大ホテルの舞踏場でもない。さらにベデカに
特筆大書してある「最新流行」の産地たる散歩街や、歴史的由緒のふかい広場や、文豪の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と、第一に、方々の郷土服を着けた人形。第二に各地の|手提げ、第三に――これはぜひ
特筆大書を要する――各国婦人の美点。 私の「趣味の蒐集」――巻煙草の空箱。見聞....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
っと示威運動の吶声座敷が座敷だけ秋子は先刻逃水「らいふ、おぶ、やまむらとしお」へ
特筆大書すべき始末となりしに俊雄もいささか辟易したるが弱きを扶けて強きを挫くと江....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ないほどの負債を荷いながら、劇の向上進歩に専心努力した彼の功績は、明治の演劇史に
特筆大書せらるべきものである。その功績と伎倆を認めたればこそ、歌舞伎座でも今度か....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
(京阪地方においても同じ)握り寿司屋であるかぎり、みながみな「江戸前」なる三字を
特筆大書している。江戸前の寿司というものは、よほど注目に価し、魅力に富むものらし....