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特等
「特等〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特等の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
※らしかった。
「ではこうしましょう。一等はもう満員ですから、特別に一等の料金で
特等で焼いて上げることにしましょう。」
重吉は幾分か間の悪さを感じ、何度も事務....
「或る女」より 著者:有島武郎
から金まで融通してもらうのはどうしても葉子のプライドが承知しなかった。
葉子は
特等を選んで日当たりのいい広々とした部屋《へや》にはいった。そこは伝染病室とは比....
「競馬」より 著者:織田作之助
ると近所の人に聴いた生駒《いこま》の石切まで一代の腰巻《こしまき》を持って行き、
特等の祈祷《きとう》をしてもらった足で、南無《なむ》石切大明神様、なにとぞご利益....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
なぞいう御方々で、東京では勿論の事、日本でも上流のパリパリ。汽車なら無論白切符か
特等車で、自動車なら紋章入り、一台以上の格である。人数は無論震災前とあまり変らぬ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
秦宗吉氏が、 「いえ、個人で見舞うのです……皆さん、どうぞ。」 やがて博士は、
特等室にただ一人、膝も胸も、しどけない、けろんとした狂女に、何と……手に剃刀を持....
「独房」より 著者:小林多喜二
Y署に行った時だった。 俺の入った留置場は一号監房だったが、皆はその留置場を「
特等室」と云って喜んでいた。 「お前さん、いゝ処に入れてもらったよ。」と云われた....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十八日(葉書) 昨日は御馳走になりました。私は二十二日入場の文芸協会の演芸会の
特等の招待券をもらいました。(壱円五十銭)あなたはもらいませんか。もし行くなら一....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
会合の席上で、霧原氏のこの訊問法を、前記バーンス探偵の「三等訊問法」に対して、「
特等訊問法」と名づけようではないかと、冗談半分に提言したが、それ以来、「
特等訊問....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
これも霧原警部の「
特等訊問」の話である。 銀座四丁目に、貴金属宝石商を営んでいる大原伝蔵が、昨夜....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
られ、当時映画劇場としては立派な赤坂溜池の葵館へと出かけ、赤坂の名妓なぞと二階の
特等席でアイス・クリーム(ラムネではありませんぞ)を喰べながら徳川夢声さんの名説....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
ないであろう。 * 料理を味わうにも、三等生活、二等生活、一等生活、
特等生活と、運命的に与えられている生活がある。またそれに従って作るところの料理が....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
る。そこで膝まずき、奥に向かって開く小さな窓から、そっと覗くと、ちょうどオペラの
特等席から見おろすようなぐあいに、広々とした大教会堂の内部が眺められるのだった。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
みになって、庄亮君一人となった。で、私はいい工合にその寝室として当てられた最上の
特等室に割込ませてもらった訳なのだ。無論|増金は出したが、私のために庄亮君が宣伝....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
葉がれいは難を言えば美味すぎることである。およそなんでも美味すぎるということは、
特等品にはならない。美味すぎるために、
特等を下って一等品となる。総じて美味すぎる....