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「特配〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

特配の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おさん」より 著者:太宰治
の後を追って家へはいり、 「暑かったでしょう? はだかになったら? けさ、お盆の特配で、ビイルが二本配給になったの。ひやして置きましたけど、お飲みになりますか?....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の寒さがひとしおこたえる。目下下痢気味なのは、あるいは壕で冷えたせいか。 ◯酒の特配に喜びなし。酒を呑まないためだ。煙草の特配に喜びなし、煙草は吸わないためだ。....
親友交歓」より 著者:太宰治
だきまっていないよ」 「そうか、罹災したのか。はじめて聞いた。それじゃ、いろいろ特配をもらったろう。こないだ罹災者に毛布の配給があったようだが、俺にくれ」 私....
人民戦線への一歩」より 著者:宮本百合子
会が出来て、板橋でやったように、どこかに隠匿されている食糧を発見し、ああいう風に特配したとする。その場合、警視庁は、その方法を適当と認めていないのであるから、何....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
来るそうです。一日二人で五合の割で、滞在客は十五日以上、もらえる由。冠婚葬祭には特配なしのよし。三度外食のひとも働きによって食糧がちがって切符制です。甲乙丙とあ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。病院のことは、今の私には家での方がずっと良いらしい様子です。食餌のことも病人の特配を受けているし、卵・バタ・果物類は色々な人が心配してくれて、何とか今迄続いて....
白痴」より 著者:坂口安吾
のこと)も裏口から行ってごらんなさいと仕立屋が言うのだが、あいにく伊沢は勤め先で特配があるので婆さんの世話にならずにすんでいた。 ところがその筋向いの米の配給....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
私は病んではなかったけれども、戦争中はまったく栄養失調だったかも知れない。何一つ特配というものがない。主食にカボチャや豆ばかり食い、一ヶ月に一度イワシを食べさせ....
ちかごろの酒の話」より 著者:坂口安吾
せつない。 それでも戦争中にくらべれば、まだ、ましなのかも知れない。あの頃私は特配などに何一つありつけないから、酒などはもう諦めて飲む気もなかつた。又、仕事を....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
でも、気配で様子が分るんですよ。空襲のとき軍の見張所でね、聴音機以上だなんてね、特配があつたのよ」 「それは凄い。御主人やお子さんは?」 「私はねえ、以前活版屋....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
売買 亮作は野口にゆるされて鶏小屋にすんだ。床をはり、板で囲った。戦災者の特配品と、人々からの貰い物で、日常の用は最小限度に間にあった。彼は現金を持ってい....