特高[語句情報] »
特高
「特高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
いたのだ。彼はただ新宿に映画を見た時、眼つきが怪しいとの理由で、駅頭に張っていた
特高に掴まった。ポケットに築地の切符の切端しが残っていたので、豚箱に入れられ、ワ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
くって置くのだと、社長は説明した。 「君、御苦労やけど、別刷りの新聞二部、府庁の
特高課へもって行ってんか」 「今直ぐですか」反射的にそう言ったが、むろん怒ったよ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
運動の方向をつかんだ云い方をするよ。だから彼奴等のスパイ政策も変ってきたらしい。
特高係とか何んとか、所詮表看板をブラ下げたものに彼奴等自身もあまり重きを置かなく....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
わっているのだろうか。 その年の春、その土地へ移る前のことだが、彼は妻と一緒に
特高課に検挙された。三十時間あまりの留置ですぐ釈放はされたが、その時受けた印象は....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
らに攪乱せんとするものである」云々。 愛知県下の多数の私鉄の争議に於て、県の一
特高主任が争議団側の宣言や要求書を起草し、争議解決後新設された従業員組合の役員選....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
席検事を訪ねて、取りあえず口頭を以て、藤沼警視総監・丸之内署警部井上徳三郎・同署
特高係高林定太郎氏等を、傷害罪と涜職罪で告訴告発したというのだが、殴られもしない....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
よる吏道の発達は例えば警視庁の改組問題(強力警視庁案)の内にこそなかったか。全国
特高網の拡大強化要求(百五十万円)の内にこそなかったか。そしてこの種の要求が他で....
「青春論」より 著者:坂口安吾
文章上の詩というものが、たえられない。 僕が京都にいたころ、碁会所で知り合った
特高の刑事の人で、俳句の好きな人があった。ある晩、四条の駅で一緒になって電車の中....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
散らしてあり、彼はそれを指し示して自慢していた。それでも正枝はまだ不安心で、其後
特高係がまたやって来た時、そっと李のことを尋ねてみると、なかなか勉強家で有望な青....
「独房」より 著者:小林多喜二
手に指環のよく似合う予審判事がそう云って、ベルを押した。ドアーの入口で待っていた
特高が、直ぐしゃちこばった恰好で入ってきた。判事の云う一言々々に句読点でも打って....
「母たち」より 著者:小林多喜二
云わずに、「いるんだね」と念を押して、上がり込んできた。 明け方の寒さで、どの
特高の外套も粉を吹いたように真白になり、ガバ/\と凍えた靴をぬぐのに、皆はすっか....
「金狼」より 著者:久生十蘭
待ってる」 すると、ダニ忠が、いった。 「久我、ってあの若い男、……ありゃあ、
特高の第二係じゃないか。……僕あたしかに本庁で見かけたことがある」 狼狽したよ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の皮肉はない。約一ヵ月のち釈放されたが、出迎人は身寄りや友人ではなく早稲田警察の
特高であった。仕方なく早稲田警察に行くと『田舎へ帰っておとなしくしてなきゃ検束す....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
を与えた事件は、当局の如何なる意図に基くか吾々として窮知すべくもないが、各警察署
特高係員が所轄管内の会員を歴訪し、甚だしきに到っては退会を勧告強要することをさえ....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
でも変らない。日本の軍部も、さすがに露骨な圧迫はしなかった。ときどき領事館警察の
特高が、ぼくを狙う結果として、魯迅さんとの連絡を考えたものもあるらしいけれども、....