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牽
「牽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
の書いた「農家《のうか》義人伝《ぎじんでん》」の中の一篇によれば、平四郎は伝吉の
牽《ひ》いていた馬に泥田《どろた》へ蹴落《けおと》されたと云うことである。(註三....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た七夕《たなばた》の歌は、今でもこの国に残っていますが、あれを読んで御覧なさい。
牽牛織女《けんぎゅうしょくじょ》はあの中に見出す事は出来ません。あそこに歌われた....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
れが我我の眼にはいるのは看板の存在そのものよりも、看板のあることを欲する心、――
牽《ひ》いては我々の歯痛ではないか? 勿論《もちろん》我我の歯痛などは世界の歴史....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
るのは一段と巧者じゃ。あの男は謀叛《むほん》なぞに加わったのも、嗔恚《しんい》に
牽《ひ》かれたのに相違ない。その嗔恚の源《みなもと》はと云えば、やはり増長慢《ぞ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
はない。俺はほっと一息しながら、思わず馬車の方へ目を転じた。すると馬は――馬車を
牽《ひ》いていた葦毛《あしげ》の馬は何《なん》とも言われぬ嘶《いなな》きかたをし....
「或る女」より 著者:有島武郎
な軽侮の心持ちを見せつけながらも、その顔を鼻の先に見ると、男性というものの強烈な
牽引《けんいん》の力を打ち込まれるように感ぜずにはいられなかった。息気《いき》せ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
磨き上げられた耕馬が三十頭近く集まった。その中で仁右衛門の出した馬は殊に人の眼を
牽《ひ》いた。
その翌日には競馬があった。場主までわざわざ函館《はこだて》から....
「二つの道」より 著者:有島武郎
いなつかしさを感ずるではないか。
いかなる人がいかに言うとも、悲劇が人の同情を
牽《ひ》くかぎり、二つの道は解決を見いだされずに残っているといわねばならぬ。
....
「片信」より 著者:有島武郎
のを言い残したり、言うべからざるものを言い加えたりした一文が、存外に人々の注意を
牽《ひ》いて、いろいろの批評や駁撃《ばくげき》に遇うことになった。その僕の感想文....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
色のペンキで塗りつぶした箱の横腹に、「精乳社」と毒々しい赤色で書いてあるのが眼を
牽《ひ》いたので、彼は急ぎながらも、毒々しい箱の字を少し振り返り気味にまでなって....
「星座」より 著者:有島武郎
耳をかすめて、蝿の元いた位置に真白く光る像が残った。それが不思議にも清逸の注意を
牽《ひ》きつけたのだ。戸外《おもて》では生活の営みがいろいろな物音を立てているの....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
をしていた。 一五 馬車 僕が小学校へはいらぬ前、小さい馬車を驢馬に
牽かせ、そのまた馬車に子供を乗せて、町内をまわる爺さんがあった。僕はこの小さい馬....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
人々を酔生夢死の徒と呼んで唾棄するかも知れない。然し私にはその人々の何処かに私を
牽き付ける或るものが感ぜられる。私には生来持ち合わしていない或る上品さ、或る聡明....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たというラプラスの考えの中に認識され、また太陽星雲から諸遊星が形成される際にその
牽引の中心となった物は外界から来たものだという前記の想像の中にも認知されるのであ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
抵抗の出来ない様な、一種の圧迫を感じて、厭な気になるが、其の眼には確かに強く人を
牽きつける力を籠めて居る。「豹の眼だ」と此の時も思ったのである。 私が向き直る....