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「牽制〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牽制の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は必ず人間の意志の絶対自由を経験したに違いない。本能の生活は一元的であってそれを牽制すべき何等の対象もない。それはそれ自身の必然な意志によって、必然の道を踏み進....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
り撃っていたのであった。それは突入した青竜王に怪我をさせることなく、しかも痣蟹を牽制するためだった。すべては名探偵青竜王の策戦だったのである。 気味のわるい機....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
後になってB29、八十機が阪神初空襲を行なう。その前に関東と名古屋方面へ少数機で牽制して、それから入る。いくら牽制しても阪神へ入ることは見え透いている。 帝都....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
多分非常に驚いた彼は、急いでロープを捲取機の何処かへ引っ掛けて、バルーンの上昇を牽制しようとあせった事でしょう。が、浮力の増したバルーンは、瓦斯のホースを投げ離....
河明り」より 著者:岡本かの子
の濃い睫毛を俯目にして云った。 「ほんとにそういう物質的のもので、精神的のものが牽制できるものならば、私の関り合いにも一人飲ませたい人間があるんでございますわ」....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
十日の糧食があれば充分だ」と云って聴かず、大和守は「もし晴信海津の城兵を以て我を牽制し彼自ら越後に入らば策の施すべきなし」といえば、謙信笑って「春日山は厳重にし....
真田幸村」より 著者:菊池寛
郎忠勝は、徳川家随一の剛将である。小牧山の役、たった五百騎で、秀吉が数万の大軍を牽制して、秀吉を感嘆させた男である。蜻蛉切り長槍を取って武功随一の男である。ある....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
ろうと云い出し、宗全は切腹をすると言って居る。思うに共に戦意無きを示して、政則を牽制せんと計ったのでもあろう。同時に彼等は此の大乱の道徳的責任を感じて居るらしい....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
る師泰に対抗して居た。亦四条隆資は、河内等の野伏の混成隊を以て、生駒山方面の敵を牽制して居る。『太平記』は正行の奮闘は詳説するくせに、此等の諸軍の動静を閑却して....
地球要塞」より 著者:海野十三
艇を駆《か》って東西の大洋を疾駆《しっく》し、そのあいだ、巧みに金星超人X大使を牽制《けんせい》し、X大使の注意を建設進行中わが日本要塞の方に向けしめざりし殊勲....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
は、次の二つであった。 金博士始末案件 (一)王水険博士を擁立し、金博士を牽制するとともに、必要に応じて、金博士をおびき出すこと。 (二)あらゆる好餌を用....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
、朋友、師弟、仇敵、各々相|識らざる者までも皆一団にかたまって、互に勧め合い互に牽制し合い、死んでもこの一歩を跨ぎ去ろうとはしない。 一〇 朝....
書記官」より 著者:川上眉山
せるよりほかはありませぬ。すでに局長が東京におらず、また旅先から商会の願書を遠く牽制して出させぬようにしているうちには、私の方便で、監督署長の、それあのさっき来....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
フォドをして、選抜隊を率いてコンノオトから敵に向かって行進を起こさせ、もって敵を牽制しようと試みた。そのとき、新しい破局が起こった。クリフォドが、沼のなかの堤防....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
奪い、戦わずして敵を退却せしむる事に努力する。敵の要塞に対してはその守備兵を他に牽制し、要すれば正攻法に依りこれを攻略する。作戦路上にある要塞を放置して遠く作戦....