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牽引
「牽引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牽引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
な軽侮の心持ちを見せつけながらも、その顔を鼻の先に見ると、男性というものの強烈な
牽引《けんいん》の力を打ち込まれるように感ぜずにはいられなかった。息気《いき》せ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
自分の一生を小さい陥穽《かんせい》に嵌《は》め込んでしまう危険と、何か不明の
牽引力の為めに、危険と判り切ったものへ好んで身を挺《てい》して行く絶体絶命の気持....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「六三郎……粋《いき》な名前だな。その六三郎にお園《その》が用があると云って
牽引《しょぴ》いて来てくれ。いや、冗談じゃねえ。御用だ」 御用と聞いて、彦八は....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
為めに、愛国とか、自由とか、国威の宣揚とかいう心にもない旗印をかかげ、彼の奇妙な
牽引力と、物質的報酬とを以て、彼には無縁な民衆を煽動する。民衆はその好餌に引き寄....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たというラプラスの考えの中に認識され、また太陽星雲から諸遊星が形成される際にその
牽引の中心となった物は外界から来たものだという前記の想像の中にも認知されるのであ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
御承知の事とは思いますが、タンク機関車は他のテンダー機関車と違って、別に炭水車を
牽引しておらず、機関車の主体の一部に狭少な炭水槽を持っているだけです。従ってH・....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
にかく一営利会社としてはなかなかの仕事をしている。最初は、アフリカのサハラ沙漠を
牽引車で突破し、続いて、ペルシア、中央アジアを経てペキンまで、無限軌道をうごかし....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
くなり、そうして俺も美しくなった。二人はどうしても離れられなかった。ああ悪の美の
牽引力! ……四国へはいっては長曽我部へ仕え、九州へ渡っては大友家へ仕え、肥前へ....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
を隊長に、ほかに一ヶ小隊の戦車兵であった。 問題の地下戦車第一号は大型の二台の
牽引車に鋼条《こうじょう》でつながれ、まわりを小型戦車にまもられながら、ひきずら....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
達して、小さな歯車が動きだす。電気が起る。小さいモーターが廻る。だんだんと大きな
牽引力が起り、電力が発生し、やがて二つの硬球が双方から寄って来て、ぐるぐると回転....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
ラックのうえに引きあげました。これはただのトラックではなく、軍隊でよく使っている
牽引車というものと同じで、すばらしい力を出すものでありました。 「よかろう。いそ....
「東京要塞」より 著者:海野十三
集った十万人ちかい東京市民の間を、マール号の陸戦隊員二百名が、例の記念塔を砲車|
牽引車に積んで、粛々と市中を行進した。 それを見ると忠魂記念塔は、長いままでは....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
であるかの印象を与えつつ、而もその内容が不明なることが、ファッシズムが一部の人を
牽引する秘訣なのである。それ自身異なる目的を抱くものが、夫々の希望をファッシズム....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
て非の打ち処はない。だが、そう言っても慧鶴に異性が眩惑するような若い肉体の香りの
牽引があったとも思えない。むしろ旺盛な精神力に慧鶴の肉体の男性的な一部分はスポイ....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
受けてただちにその癈牛馬を生じたる家からこれを引き取り、自己の権利を有する捨場に
牽引運搬してこれを処理する場合が多かったらしい。地方によっては江戸時代に至っても....