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「犬と猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

犬と猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
しはん》学校が衝突《しょうとつ》したんだと云う。 中学と師範とはどこの県下でも犬と猿《さる》のように仲がわるいそうだ。なぜだかわからないが、まるで気風が合わな....
乱世」より 著者:菊池寛
じゃが、鎮撫使の参謀には、長州人がいるというからな。長州人と我々とは、元治以来、犬と猿のように啀み合っているからな。長州征伐の時、幕府の軍勢が浪花を発向の節、軍....
名君忠之」より 著者:夢野久作
かったか」 「ハハ。一々|御尤も……」 「肥後殿も悪しゅうは計ろうまい。薩藩とは犬と猿同然の仲じゃけにの……即刻に取計らえ……」 「ハハ。追放……追放致しまする....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
友達が一匹の黒い犬を持って来てくれたので、これも一緒に飼っておくと、なにぶんにも犬と猿とは仲が悪く、猿は犬に咬まれて何処へか逃げて行ってしまいました」 李....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
同じように、町人百姓が戦争の役に立つものか……といったような一種の階級意識から、犬と猿のように仲が悪く、毎日毎日福岡市内の到る処で、鎮台兵と衝突していたものであ....
芭蕉について」より 著者:宮本百合子
吟の弟子であった。宗房もその相手をし早くから俳諧にはふれていたとみられている。「犬と猿世の中良かれ酉の年」というような句を十四歳頃作ったという云いつたえもある。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
女を呼び寄せれば、こちらの女が黙ってはいない。お角とお絹とは前生《ぜんしょう》が犬と猿であったかも知れない。一から十まで合わないで、逢えば噛み合いたがっている。....
桃太郎」より 著者:楠山正雄
ればならないという鬼が島へ、ほんの目をつぶっている間に来たのです。 桃太郎は、犬と猿をしたがえて、船からひらりと陸の上にとび上がりました。 見はりをしていた....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
来るかどうか。人間が違う、人種が違うと、それだけで済ませるかどうか。猫と鼠とは、犬と猿とは、出逢ったまま顔をそむけて通り過ぎるだろうか。同じ東京都内にいて、柿沼....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
、メッテルニッヒは墺国の駐仏大使としてパリに駐在した。 この頂、仏国と墺国とは犬と猿のように仲がわるく、そうして墺国はそれ以前ナポレオンによって連戦連敗させら....
詩劇「水仙と木魚」」より 著者:三好十郎
なし 裁判所でもウヤムヤになってしまった それ以来、君んとこの先々代と僕の祖父は犬と猿のようになってしまい 僕んとこではそのうらみを僕の父に受けつがせ 君んとこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
下部の兵らは、いぜん警戒を研ぎすましているふうだった。 元々、新田と足利とは、犬と猿だ と世間もいっているほどだが、鎌倉入りの目標だけには、それが完全な一つ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
る者、それはいない。直義に代る者、なおさらいない。人は多いが、残っているのはみな犬と猿だ。ひとり佐々木道誉の名はいつも彼のあたまにあるが、しょせん、腹から心のゆ....
春泥」より 著者:久保田万太郎
こからかそれを聞くと一しょに西巻は見舞に行ったもんだ。」 「見舞に?」 「いくら犬と猿のような仲でもいざとなれば古い附合だ、三十年来の深馴染だ。……菱川のほうは....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
後世の絵本と同様である。其題目を挙げれば。巻之一、※先生伝、鼠の芸尽し。巻之二、犬と猿の相撲、鵜の真似する烏。巻之三、佐々良三八、十王の勧進。巻之四、烏勘左衛門....