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「犬吠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

犬吠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
照僧遠。 黄葉一村蔵寺深。 懸偈壁間焚仏意。 見雲天上抱琴心。 人間至楽江湖老。犬吠鶏鳴共好音。 と云う詩を遺《おく》った。巧拙《こうせつ》は論外として、病院....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
った。朝着きそうな予定のときだけが、その通りに入港した。その他は必ず夜着くように犬吠《いぬぼう》沖か、勝浦沖かで彼女は散歩を強制せられるのであった。 古今共に....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
十秒ごとに一閃光を発するのだ。ところが三十秒ごとに一閃光を発する灯質は、明らかに犬吠灯台のそれであり、だから執拗なガスに苦しめられて数日間にわたる難航をつづけて....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
であった。笛のうちには音色がかなり人声に似たのがあると見える。 *犬吠岬の茶店の主人の話だそうである。三十年来の経験で、自殺者心中者はたいてい様子....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は九十九里の海――太平洋の一片が浅黄リボンの様に見える。お馨さんは去年此処の海を犬吠ヶ崎の方へ上って米国に渡ったのである。「如何です、海が見えましょう。馨が見え....
怪塔王」より 著者:海野十三
北緯三十六度、東経百四十四度! それが遭難機の位置になります。 そこは、犬吠埼からほとんど真東に、三百キロメートルばかりいった海中です。 いや、海中で....
月世界探険記」より 著者:海野十三
議なことネ」 「全く貴女がたの場合と同じような事件だったので。そのときも一行中に犬吠という慾の深い男がいて、月の世界の黄金塊をギッシリ積むと、隊長と私とを残して....
空襲警報」より 著者:海野十三
電話をもって、第一編隊長ワルトキンに、いそいで命令した。 「ワルトキンよ。貴隊は犬吠崎附近から陸上を東京に向かい、工業地帯たる向島区、城東区、本所区、深川区を空....
鮭の祟」より 著者:田中貢太郎
常陸と下総との間を流れた大利根の流れは、犬吠崎の傍で海に入っている。それはいつのことであったか判らないが、未だ利根川に数....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 しかし、これを裏へ出れば屏風《びょうぶ》ヶ浦《うら》となり、遠からずして犬吠《いぬぼう》ヶ岬《さき》があり、銚子の港がある。銚子の港の前面には、利根の長....
丹下左膳」より 著者:林不忘
十九里浜。 松尾。千潟《ちがた》。外川《とがわ》。 屏風《びょうぶ》ヶ浦より犬吠《いぬぼう》。 飯沼観音のながめ。 大利根を左、海鹿《あじか》島を右に、....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
止った様な形をして、海に面した断崖沿いに一段と嶮しく突出していた。遠く東の海には犬吠が横わり、夢見る様な水平線の彼方を、シアトル行きの外国船らしい白い船の姿が、....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
の晩以来改心し、真人間になりました。そうして自分の本職を、いよいよ練磨致すため、犬吠崎へ参りました。岸へ打ち寄せる大海の濤、それへ向かって声を練り、二年三年のそ....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
はお祝にグロキシニヤの大鉢を持って此処へ訪ねて来た。丁度明治天皇様崩御の後、私は犬吠へ写生に出かけた。その時別の宿に彼女が妹さんと一人の親友と一緒に来ていて又会....
西航日録」より 著者:井上円了
だちに二十日に移れり。その後は毎日冷気を覚え、深霧にとざさる。二十六日午後三時、犬吠埼の灯台を望む。二十七日横浜入港、六時検疫あり、七時上陸す。太平洋航海中は、....