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「犬死に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

犬死にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
ぬトリックの沼。しかも直接に、人のいのちを奪うトリック。病院では、死骸など、飼い犬死にたるよりも、さわがず、思わず、噂せず。壁塗り左官のかけ梯子《はしご》より落....
貨幣」より 著者:太宰治
じめました。 「たのむわ、兵隊さん。も少し向こうのほうへ逃げましょうよ。ここで犬死にしてはつまらない。逃げられるだけは逃げましょうよ」 人間の職業の中で、最....
坑夫」より 著者:夏目漱石
暗い中まで続いている。是非共登らなければならない。もし途中で挫折《ざせつ》すれば犬死になる。暗い坑《あな》で、誰も人のいない所で、日の目も見ないで、鉱《あらがね....
党生活者」より 著者:小林多喜二
けはつかまらないようにしてくれ。――君がつかまったら、俺のしたことまでもフイで、犬死になるんだからな!」 と、須山が云った。 私たちは今日の決定通りに準備をす....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
らが、僕らの持っている偉大な力に、自分から驚く時の来るまでは、いたずらに、僕らは犬死にをしなければならないんだ」上陸の時以外に彼らが口にすることのできない一杯の....
乱世」より 著者:菊池寛
は十二日の午前であった。 二人の死を、転機としたように――二人の死をまったくの犬死にするように、下士たちの恭順論は、いつの間にか藩論を征服していた。東下論者は....
俊寛」より 著者:菊池寛
経や康頼の目前で死んだならば、すこしは腹癒せにもなるのだったと思った。今死んでは犬死にであると思った。が、死のうという心は変らなかった。帰洛の望みを永久に断たれ....
わが町」より 著者:織田作之助
トへ帰ることに反対しなかった。 そうして、元通り工事は続けられたが、斃れた者を犬死ににしないために働くという鶴田組の気持は、たちまち他の組にも響いて、何か殺気....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
、苦闘している部下のところへ飛びこんでゆきたいのを、じっと怺えていました。それは犬死にきまっていますが見す見す部下が弱ってゆくのを眺めていることは、どんなにか苦....
俊寛」より 著者:倉田百三
て失敗したあわれむべき破産者におとしてしまおうとするのか。正義に殉じた父をただの犬死にさせ、あの堪えられないほどな恥な最後にも相当していたような、醜い人間にして....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
れを助かったのだから貰って下せえ、あんた此の金で江戸へ帰らねえと、此の右内どのが犬死になりやす、命を捨てゝも主人を助けてえというのだから、此の事が世間へ知れせえ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
て参るかも知れぬ。わしの死はお前が生きておってこそ光がある。お前が生きておれば、犬死にはならぬ。一旦の怨み、怒りで、必ず犬死してはならんぞ。眼前、父が殺されても....
だいこん」より 著者:久生十蘭
のことなんでしょう。死ぬのに意味なんかつけることはいらないけど、そういうことなら犬死にならないですむわね。あなたはあたしとちがうんだから、あなたのいいようになさ....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
にあって、無人境の白骨となったとすれば、あまりに悲惨な話じゃないか、だがけっして犬死にでなかった、山田は数十年ののちに、その書きのこした手帳が、なんぴとかの手に....
わが町」より 著者:織田作之助
トへ帰ることに反対しなかった。 そうして、元通り工事は続けられたが、斃れた者を犬死にしないために働くという鶴田組の気持はたちまち他の組にも響いて、何か殺気だっ....