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「犬猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

犬猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
してしまえ!」 桃太郎は桃の旗《はた》を片手に、日の丸の扇を打ち振り打ち振り、犬猿雉《いぬさるきじ》の三匹に号令した。犬猿雉の三匹は仲の好《い》い家来《けらい....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
良いかと尋ねられたら、彼は即座に死の方を選んだであろう。 甚兵衛と惣八郎とは、犬猿もただならぬ仲というのではなかった。しかし、甚兵衛は、惣八郎がなんとなく嫌で....
人間灰」より 著者:海野十三
」 と署長の頭の上で、頓狂な声がした。駭いて署長がうしろを向くと、そこには彼と犬猿の間にあるK新報社長の田熊氏が嘲笑っていた。彼は署長の手帖の中身をスッカリ藁....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
とにわかに圧迫を強くし、足尾騒動から赤旗事件となって、官権と社会主義者はとうとう犬猿の間となってしまった。諸君、最上の帽子は頭にのっていることを忘るる様な帽子で....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
ん》、馬琴《ばきん》などの文壇人とも交際がなかった。ことに曲亭《きょくてい》とは犬猿の仲であった。馬琴の眼には三馬などは市井《しせい》の俗物としか映らなかったし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
をして、岡田以蔵てすごいのと、ほかに三人が鬮に当っちまいましてな、こいつのような犬猿同様の奴を、刀で斬るのは全く刀の穢《けが》れだから、締め殺してやるがよろしい....
足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
違ひ病院の院長をつとめてゐるやうに自然であつた。そして二人は非常に仲が悪かつた。犬猿もたゞならずとは二人のことで、なにがさて並の人間の十倍ぐらゐ口先の良く廻転す....
剣侠」より 著者:国枝史郎
「親分の怨みになるという訳か」 「そればかりでなく、ずっと以前から、林蔵と私とは犬猿もただならず……」 3 「そのような噂も聞いて居る、がその不和の原因も、要す....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
すようなことも、めずらしくない。 この、金剛寺門前町と鷹匠町がそれで、昔から、犬猿《けんえん》のあいだがらだったから、やれ、縁日の縄張《なわば》りがどうのこう....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
かんなかなかの曲者なんだ。それでいながらまんまとあの男に一杯くわされて、今日じゃ犬猿もただならざる仲になっているとすりゃ、ましてやうちの弟なんぞは、何しろ子供の....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
芸だったと聞く先代浪華軒〆友は八代目林家正蔵君とも盟友だった由であるが、他は多く犬猿の仲でないまでも、犬と猫ぐらいの不仲ではたしかにあった。落語家と浪曲家が笑顔....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
は寸毫《すんごう》も容れるところのなかった薩藩が、最初の親英藩となるや、文久以来犬猿もただならぬ長薩拮抗の歴史に邪魔されながらも、第一征長軍には事実上の調停者と....
穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
点にある。これについて斎藤彦麿は、左の如く述べている。 神祇正道に於ては、牛馬犬猿※は人に畜《やしな》はれ、人の用をなす故に、継ぎて産死の穢あり(中略)。後漢....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
牛肉を喰らったことのあったには疑いない。その後天武天皇の御代に至って、詔して牛馬犬猿鶏の肉を喰うを禁ぜしめられた。これは必ずしも肉食の禁というではなく、人間に飼....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ら、肉食は段々と排斥せられる事になった。既に天武天皇の御代から、動物の内でも牛馬犬猿鶏の五畜に限って、その肉を喰うことを禁止せられた。牛馬はもちろん人に飼われて....