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犬蓼
「犬蓼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
犬蓼の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の涯に茂って、麦が熟れる頃は枝も撓に芳しい白い花を被る。薄紫の嫁菜の花や、薄紅の
犬蓼や、いろ/\の秋の草花も美しい。鮒や鰌を子供が捕る。水底に影を曳いて、メダカ....
「木魂」より 著者:夢野久作
つ一つに覗き込みつつ凝視した。その砂利の間の薄暗がりから、頭だけ出している小さな
犬蓼の、血よりも紅い茎の折れ曲りを一心に見下していた。 ……だけども……だけど....
「父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
て流して見ろと命じていた。その泥だらけの颯爽たる姿を、そこいら一面に生えていた、
犬蓼の花と一所に思い出す。 やはりその頃の事であったと思う。 父は六歳になっ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
をもって来た下男を帰してしまって、遊び友達の一日の食料をもっている事に満足した。
犬蓼《いぬたで》の赤い花の上に座ってお萩をたべる子供たちの、にこやかな頭の上には....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
蓼を本蓼《ホンタデ》とも真蓼《マタデ》ともいっている。そしてその辛味のないものを
犬蓼《イヌタデ》と称する。すなわち役立たぬ蓼の意である。大槻博士の『大言海』によ....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
も皆足を茶屋にやすむればそれぞれにいたわる婆様のなさけ一椀の渋茶よりもなお濃し。
犬蓼の花くふ馬や茶の煙 店さきの柿の実つゝく烏かな 名物ありやと問えば力....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
これを犬にたとえて、犬神人とも犬法師とも云ったものと解する。蓼に似て非なるものを
犬蓼というように、神人に似て非なる故に犬神人と云ったとの古い説があるが、これは妥....