状勢[語句情報] »
状勢
「状勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
状勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
。 松木と武石とは、雪の深い道を中隊から十町ばかりさきに出て歩いた。そして見た
状勢を、馳《か》け足《あし》で、うしろへ引っかえして報告した。報告がすむと、また....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
も、できればこれが回避されることを、心から祈つている。しかし同時に、現實の世界の
状勢を見るにつけ、殊に共産黨の攻勢が激化の一途にある今日、眞の平和的理想に導かれ....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
すと見えたりと報じたので、流石強情我儘の盛政も仰天しないわけにはゆかなかった。此
状勢を保って居られる筈はないから、早々陣を引払って、次第に退軍しようと試みた。先....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
思想この大体に一致したりといえども、将来の希望に至りてまた二派に分裂するは自然の
状勢とや言うべき。当時日本人民は新たに鎖国時代より出でて眼前に世界万国といえるも....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
したって、今夜中だ。明日の晩となれば、おそい。誰か、外の奴にしてやられちまう。」
状勢がひっ迫するに従って、五六人の彼の同僚が、方々から、ここをめがけてはいりこん....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
されて十年を経過した今日、世界の帝国主義国家は××の準備以外、何物をもしていない
状勢になっているのである。 マルセル・マルチネは、大戦を背景にして三ツの作品を....
「防備隊」より 著者:黒島伝治
ガミ云う。「みな、一時に集まって、任務についているんですぞ!」 「一体、どういう
状勢なんですか?」俺は、ワクワクしていた。 「そんなこと、訊ねなくッてよろしい!....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
相応しき相手があるであろう。 いわゆる玄人でない職業婦人は別問題である。今日の
状勢において、これはレディの延長と見なければならぬ。卒業後の結婚の物質的基礎を考....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
教のほうでは普通の倫理道徳とか、五常とか、礼法というようなものは、そのときの社会
状勢によってかりに設けられているものでありまして、それは儒教の本意ではない。儒教....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
紅茶を注ぐと軽く会釈して夫の側へ腰を下ろした。此の如何にも物馴れた常識的な客間の
状勢は日本の客を受け身にさせ、暫らくガルスワーシーの日本の風物に対する質問等に景....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
はダーウィン、ハクスレー、チンダールらの思想がずいぶんもてはやされ、だいぶ社会の
状勢も一般的に変化をもたらしたのである。 しかしそのために知識、学問、教育、美....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
府党の無謀無考慮無|経綸を馬鹿にし切っていた。露都へ行く前から露国の内政や社会の
状勢については絶えず相応に研究して露国の暗流に良く通じていたが、露西亜の官民の断....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るですが、これはほとんど専門に歴史上から説かなければ駄目ですから、私はただ今日の
状勢を述べるに止めて置きましょう。チベットはシナに対して税金を納めなくてはならん....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
れば駄目だということの警告なのであって、このような警告が必要になったときの歌壇の
状勢を想像することのできる諸君は、必ずや詩歌の危機として、他人ごとならぬ慄然たる....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
庭掃、すなわち掃除夫が、歌合せに於いて農人と相合せられているが如きは、以て当時の
状勢を見るべきものであろう。それ以外の多数の者は、大抵後までもエタの下と見られて....