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状差
「状差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
状差の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
も、いよいよ途方に暮れるばかりで、いっそ何気なさそうな顔をして部屋の隅《すみ》の
状差《じょうさ》しに、その持てあました葉書を押し込んで、フンといった気持で畳の上....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
師 源五兵衛 家出人お係りさま御中 というのが一通。 昨日、一昨日と再度お訴
状差し出し候えども、いっこうにお取り上げこれなきは心外にたえず候。お役向きご繁忙....
「錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
ボタンを外して、その洋服を窓枠に打ちかけるのであった。すると、ポケットはちょうど
状差しのような具合に教室の中へ、窓の下の板壁に垂れ下がるのだった。 2 鐘が鳴....
「こころ」より 著者:夏目漱石
のでした。どうでも構わなかったのです。私はそれどころの騒ぎでなかったのです。私は
状差《じょうさし》へあなたの手紙を差したなり、依然として腕組をして考え込んでいま....
「明暗」より 著者:夏目漱石
持でいっぱいになっていた。
再び机の前に取って返したお延は、その上に乗せてある
状差《じょうさし》の中から、津田|宛《あて》で来た手紙を抜き取って、一々調べ出し....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
方もこれあるまじくと存じ奉り候。私名前にて東方にあるイギリス、フランスの高官へ書
状差しつかわし、日本政府において交易条約御取り結び相成り、なお、他の外国へも御免....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
小説なんかによくあるものですから!
父の部屋にはいつて見ますと、私はまず第一に
状差しを見ました。けれど何も見当りません。紙くず籠を見てもやはりないのです。では....
「山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
被害者の指紋ではなかったということですな?」 「そのとおりです」 「被害者の家の
状差しは空っぽでしたが、あの中には屍体が発見された時から手紙類は一つもはいってい....
「沈丁花」より 著者:宮本百合子
うな運びかたは、はる子に落付けないのであった。悲しいいやな心持で、はる子は手紙を
状差しにしまった。 秋が来た。夕方、忽ち夜になる。俄かな宵闇に広告塔のイルミネ....
「その年」より 著者:宮本百合子
広ちゃん、お前、こないだの友さんのハガキどこにあるか知っとるか」 ときいた。 「
状差しにあるだろう」 「なあ、広ちゃん」 お茂登は蹲んだ足の上で体の重心をおき....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
、田舎者のことだから間が抜けているでしょう。すると、誰れも一寸居ない間に、吉村が
状差しを探して見て、その中に私が此処から遣った手紙が見付かったの。よくそう言って....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よ。それから日光書院も、これ又とんちんかんね。ところが、ここ迄書いて、円い焼物の
状差しをさがして受領書見たところ、トンチンカンはペンさんもあずかっていて、これに....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
壁に特別のこしらえをして、貸方、借方、現金出納、大福帳などの帳簿が下がっている。
状差しに来書がさしてある。口のかけた土瓶《どびん》に植えた豆菊の懸崖《けんがい》....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
多分、そッちゃの方へでもお廻りになったのかと存じますが……」 と言って、帳場の
状差を指《ゆびさ》し、 「ごらんの通り、長崎やお江戸から赤紙付やら早文《はやぶみ....