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状箱
「状箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
状箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ばただいまのちょうど八時です。その五つかっきりにご番所へ参りますると、さっそく訴
状箱をひっかきまわして、ひと渡りその日の訴状を調べます。これは自分の買って出るよ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しきりと口をとがらしていましたが、しかし右門は静かに微笑したきりでした。そこの訴
状箱をかきまわしながら、指を切りとられたという訴えの、小石川台町と厩河岸の所番地....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
さっさとはいっていくと、てこでも動くまいといいたげに、どっかりすわったところは訴
状箱の前でした。しかも、すわると同時に、これがいかにもおちついているのです。一状....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の人殺しがあって、お番所へ殺された身内の者から訴えが来ていねえはずはねえんだ。訴
状箱ひっくり返してみりゃ、どこの権右衛門だかすぐとわからあ」 「なるほど、それに....
「新生」より 著者:島崎藤村
で出して行くようになどと言われると、子供心に嬉しかったと書いてよこした。見ると、
状箱のような容器《いれもの》に毛糸で編んだお金入が入れてある、そのお金入の中にほ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
という筆屋の隠居所だそうで、其家においでなさる方へ上げれば宜いと云付かって、私が
状箱を持ってお馬場口から出ようとすると、今考えれば旦那様で、貴方に捕まったので、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
羽橋の方から息を切って飛んで来る裸男。褌《ふんどし》一つで木刀を一本、その真中に
状箱を結《ゆわ》いつけたのを肩にかついでいる。そのせかせかとする息の合間に、時々....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
じめから弥生が看てとったごとく日本人の無頼漢だったからだ。
三尺あまりの身体に
状箱を縛りつけたような身躯《からだ》、小さな手足にくらべて莫迦《ばか》にあくどい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
と思うと、さにあらず、押入れをあけて、とり出したのは、中を朱に、ふちを黒に塗った
状箱です。紐をほどく。ふたを除く――。
そして、お藤、まるで人間に言うように、....
「四十八人目」より 著者:森田草平
ようじゃが、その心得でな」 「畏承りました」 小平太はすぐに身支度をして、例の
状箱を受取って立ち上った。何と思ったか、勘平も後から追い縋るように送ってでて、 ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ずくようにしたが、「たいして手間暇はかからなかったってわけさ。京都から来る飛脚の
状箱を、こっそりあけるだけでよかったのだからな」四人は先へ進んで行く。と、もう一....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
持って来ていただきたいの」 目安箱というのは、歴代の将軍が民情を知る具にした訴
状箱で、老中の褒貶《ほうへん》、町奉行、目付、遠国の奉行の非義失政などの忌憚のな....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
くなる証拠だ。お高は、早々に座を立って、男たちの部屋へ行った。いま書いた四、五の
状箱をかかえて行った。玄関わきの、もとの用人部屋には、佐吉《さきち》と国平《くに....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
大名行列の挾箱持ちは、馬とおなじ速力でついて行かねばならず、飛脚という者などは、
状箱を肩にかけて、街道を走り通さねばならなかった。明治の御代になってもややしばら....
「それから」より 著者:夏目漱石
寸《ちょっと》私《わたくし》が書いて渡して置きました」と云った。 手紙は古風な
状箱の中にあった。その赤塗の表には名宛《なあて》も何も書かないで、真鍮《しんちゅ....